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働いても生活が苦しい。日本で20年間も賃金が下がり続けているわけ

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人手不足なのに実質賃金が上がらない理由

人手不足

 とはいえ、日本はここ数年、人手不足が深刻化している。これが続くと企業は賃金を上げなければ、人材の獲得だけでなく、流出を食い止めることもできない。にもかかわらず、実質賃金が上がらなかったのはなぜなのか。

「確かに人手不足は賃上げ圧力になります。しかし、1990年代後半から2000年代にかけて派遣法が改正され、非正規労働者を雇用しやすくなり、人件費を抑えることができるようになりました。

 また、安倍政権下では、『女性の活躍』を掲げたり、入国管理法を改正したりなど、良く言えば“多様な”、悪く言えば“安く使える”人材を活用しやすくする政策が推進されました。

 多様な人材が活躍することは労働現場に大きな効用をもたらしますが、デフレや株主優遇といった実質賃金の上昇が見込めない状況では、人件費を抑えたい企業の追い風にしかなりません

 デフレを放置して労働生産性を下げ、株主優遇によって労働分配率を下げ、終いには人手不足というチャンスさえ潰してしまった。実質賃金が上がらない元凶は日本政府と言って良いだろう。

公共投資の充実化こそ必要不可欠

 実質賃金を上げるために企業ができることとして、藤井氏は「株主中心主義を改めて労働者・顧客中心主義に、また、短期ではなく長期を見据えた経営に転換してほしいです」と主張する。しかし、企業努力だけでは限界があるため、政府が実施すべき政策を解説する。

「まず、デフレ脱却のために“プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化”を凍結し、そのうえで消費税廃止を真っ先に実施すべきです。消費税は消費を抑制する恐ろしい税金ですので、消費税廃止を実行するだけでも、デフレ脱却の大きな足掛かりになります。

 加えて、新型コロナウィルスの影響によって失われた家計・企業の損失を補填する給付金の配布。防災・インフラ・コロナ対策・教育・研究開発・人材育成といった分野に対する公共投資。

 とりわけ、公共投資の充実化は、民間にお金を流すことができるだけでなく、災害に備えることも可能です。災害リスクの高い日本においては必要不可欠な政策になります」

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