「28歳までは何をやってもいい」新作『ジュラシック・ワールド』脚本家インタビュー
――後半は密室アクションのような展開でした。新たな面ですね。
トレボロウ:これまでになかった全く新しい環境に、恐竜たちだけでなく、観客も連れていった。これまでのシリーズによって、我々は恐竜たちが島、ジャングルの中で暴れて、人間たちが逃げ惑うというシチュエーションには慣れている。
だから本作の後半で、今までにない環境に置かれることは、当然恐竜たちも居心地が悪いし、観ているほうにも違和感があるかもしれない。そういうリスクはあるが、ラストで一気にカタルシスを迎えられるようにしたかったんだ。
初めて自分の脚本が売れたのは30歳のとき
――主演のクリス・プラット(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(’18)ほか)についてお聞かせください。彼は普段も明るいナイスガイだと言われていますが、繊細、研究熱心、実は怖がりといった別の面があれば教えてください。
トレボロウ:クリスは非常にスピリチュアルな人だよ。精神性を大事にする。それは彼の演技にも表れていると思う。自分が信じているもの、信念としているものを大事にしていて、家族もとても大切にしている。
そして世界中の人々と繋がりを持ちたいと願い、メッセージを訴えかけたいと考えている。普遍的なテーマを普遍的な表現でね。それから特に子供たちや未来の世代を助けたいという気持ちをとても持っている人だと思うね。
――トレボロウさんが前作『ジュラシック・ワールド』を監督されたのは30代後半のときですね。20代の頃はキャリア面でどう過ごされていましたか?
トレボロウ:昔、自分より上の世代にこう言われた。「28歳まではとにかく何をやってもいい。思い切りやれ。ただそこからは、しっかり自分を持って、地に足をつけてやっていけ」と。ただ、自分はなんでもやるぞというよりは、脚本を書くことに集中して20代を過ごした。
大学のときからずっと脚本を書いていて、実際に自分の脚本が初めて売れたのは30歳のときだった。25歳のときに結婚したんだけれど、最初のころは生活をしていくために妻が働くなか、とにかく書き続けていた。パッと成功を手に掴んだのではなく、苦労もして、努力もして、ここまで来たんだよ。
スティーヴン・スピルバーグと仕事をすること
――現在、成功されていますが、20代の頃、もっとこうすればよかったと思われることはありますか?
トレボロウ:もっといろいろなところに旅すればよかったと思う。大学のときには結構旅をして回ったんだけど、20代のうちにもっともっと旅をすればよかった。今は家族とともに回っているけどね。
ほかの文化や人、その文化ならではの物の見方に触れることによって学ぶことは多い。テレビを通して違う文化があることを知るのとはまったく違う。世界にはいろんな人がいて、自分とは違う考えもあるのだと知ることはとても大事だ。脚本家や監督としてだけでなく、人間としての成長にも大きな意味があると思うね。