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かまいたち山内、“コンビ結成前夜”を振り返る「初めての相方はハーフ芸人」

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実力別のクラス発表でまさか…

 実は最初のランダムなクラス分けのとき、たまたま濱家と同じだったらしい。濱家は違うヤツとコンビを組んで漫才をしていたらしいが、僕はまったく覚えてない。たぶん面白くなかったんだろう。先ほども言ったように、クラスで面白いと思えるヤツには出会わなかったので。そして入学してから3か月後、実力別のクラス発表があった

 まず、飛び抜けて面白いヤツらはAクラスへ。これは5~10組しかいなかった。次に、そこそこ普通に面白いヤツらはBクラス。200組くらいいたのだろうか。だいたい真面目に授業を受けてきちんとネタをしていれば、このBクラスに入れる。

 そして、一番下がCクラス。あまり授業に来なかったり、わけわからんネタをしていたり、素行が悪かったり、とにかくBクラスに入れなかったダメなヤツがCクラスにぶち込まれる。僕の名前は一番下のCクラスにあった

 ゾッとした。先生だけには僕の面白さがわかっていると思っていた。え? じゃ何? ただ僕はすべっていただけ? 周りのおもんないと思ってるヤツらと同じレベル? 待って 待って、待って。

Aクラスのメンバーに嫉妬していた

山内健司

 貼り出されたクラス分けの表を見ながら、僕は心の中でパニックになっていた。僕はお笑いの道に入り、いきなり劣等生の烙印を押されたわけだが、まったく納得はできていなかった。なんで一番下のクラスに自分が入れられてるのか意味がわからなかった。

 先生の見る目がないと言いたいところだが、このときのAクラスのメンバーは、今のアキナの山名、アインシュタインの河井、天竺鼠、藤崎マーケットの2人、そして濱家など、のちにしっかり売れてるメンバーだった……。先生、そんなに僕ダメでしたか?

 Cクラスの授業が始まった。自分がCクラスに振り分けられたことに腹が立っていたので、本当に自分はCクラスにいるべき人間か、周りのヤツと同じレベルなのか見て、もう一度考えようと思った。

 でも、授業では周りはおもんないヤツばかり。僕はネタ見せのとき、体育座りをしながら他のCクラスのヤツのネタを見ながら頭の中でずっと「おもんないおもんないおもんないおもんない」と呪文のように唱えていた。あとで考えたらCクラスだからおもんないのは当たり前なのだが。

寝苦しい夜の猫

寝苦しい夜の猫

2019年M-1の舞台裏などお笑いへの愛が込められた、かまいたち・山内健司による初のエッセイ集が発売

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