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なぜ飲食、アパレル業界は年収が上がらない?背景に残酷な現実

学び

 私は転職エージェントとしてこれまで15年以上、様々な業界の転職事情を見てきました。その経験から、何年働き続けても収入面で報われない、つまり年収が一向に上がらない業界の傾向が見えてきました。

絶望するビジネスウーマン

※イメージです(以下同じ)

 私が本稿でお伝えしたいことは3つです。1つ目は「年収アップには業界選びが重要」、2つ目は「頑張っても収入面で報われない業界とその理由」、3つ目は「今その業界にいる人たちがすべきこと」です。それぞれ順番に見ていきましょう!

(※この記事は「すべらない転職」が運営するYouTubeチャンネル「末永雄大/すべらない転職エージェント」の内容をもとに編集したものです)

給料はどうやって決まっているのか?

 まずは1つ目、そもそも、なぜ働く上で業界を選ぶのが大事か、ということからお話しします。結論から言えば、業界が決まった段階で、給与や働き方、将来性などがほぼ全て決まってしまうからです

 そもそも、今のあなたの給与は、どのようにして決められているかご存知でしょうか。給与は、業界の「生産性」で決まります。「生産性」とは、一人あたりの社員がどれだけ利益を生み出せるかという指標のこと。例えば自動車や家など、単価の高い商材を売るなら、一度売ればそれだけで大きな利益が出ますよね?

 それに対し、食べ物などの安くて価格競争が激しいもので同じ利益を上げようと思ったら、大量に売らなければならず、どうしても大変になります。たとえば飲食業は、大量に雇用する必要があるにもかかわらず、単価が低いため、どうしても給与が安くなる傾向にあります

 また、業界によっては今後成長するどころか衰退していったり、AIやロボットなどのテクノロジーに代替され仕事がなくなっていく可能性があります。なので、あなたの仕事やスキルが、実はAIなどの技術に代替されてしまうものである可能性もあり、いくら経験を積んでベテランになったとしても、仕事そのものがなくなってしまうリスクもあるのです。

 つまり、働く業界が決まった時点で、あなたの給与や働き方、将来性に至るまで、仕事の条件のほぼ全部が決まってしまうのです。ではこうした背景を踏まえて、収入面で「報われない業界」とは具体的にどこでしょうか。

1:利益率が低い=給与も低い「飲食業」

店長 飲食

 まずは飲食業界です。最大の理由は、あらゆる業界の中でも特に利益率が低いからです。結果、飲食業の給与は低く、中には年収200万円台で、なおかつ社会保険も加入させていないようなところも少なくありません。

 さらに最近の流れとして、料理の質や独創性がより評価されており、チェーン店が以前よりも人気がなくなってきています。
 飲食業界は入れ替わりの激しい業界で、店としての開業率が1位である一方、同時に廃業率も1位なのです。

 いずれにせよ、もしオフィスワーク系の会社に転職しようとしても、飲食業出身だと他業界で活かせるスキルがないとみなされがちで、評価されにくいのもデメリットとしてあげられます

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