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「二番底は当分こない」森永卓郎の息子がAIで読み解く、コロナ後の経済

コラム

クレカのデータからわかる意外な事実

――では、政府統計に変わる何か新しい指標があるのですか?

森永:オルタナティブデータ(※政府や企業が公式に発表する統計データや決算データとは異なり、IoT機器や、SNSなどから得られる非伝統的なデータ)や、ビッグデータが注目されてます。

 実際に僕が使ったのは、クレジットカードの決済データで、「今日アマゾンで買った本」のような、リアルタイムな人の消費活動が見られます。もちろん、「森永がアマゾンでどんな本を買った」というのは、個人情報なので分析には使用できません。しかしこれが「30代男性が、ネットショッピングで買った」程度であれば、個人情報に該当しない。

 そういうデータをデイリーで集計していくというのをやってて、分析していくと消費の落ち込みの底を打って、今は戻ってきているというのが見えてきました。

5月には「自粛疲れ」が出ていた

森永康平氏

――消費は回復基調にあると。どのあたりが底だったのでしょうか。

森永:コロナ禍を振り返ると、3月の下旬に小池百合子さんが外出自粛要請を出して、翌日に近県が同様の対応をしています。そして4月に緊急事態宣言が7都府県に発出され、1週間後に全都道府県へ波及する流れでした。その後、当初は4月末に解除予定だった緊急事態宣言が5月に延長となりました。

 一方、クレジットカードの決済データでは、消費の落ち込みは4月後半で底を打ったことが見て取れます。緊急事態宣言が延長された5月にはすでに回復傾向が見えます。その理由はこれだと断言はできませんが、僕の仮説としては「自粛疲れ」が出たと解釈しています。

 というもの、GWだけどみんな外に出なかった。でも連休なのに何もしないのってナシだよね、それならスーパーで酒買ってこようぜ、みたいな消費行動へ結びついたのではないかと見ています。

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