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新型コロナで街から人が消えた…EU圏の駐在員が見た現状

学び

街では休業や入場規制が相次ぐ

飲食店

飲食店には「持ち帰りのみの営業」との貼り紙が

 日本でもようやく東京都が週末である3月28~29日の「不要不急の外出」を自粛するよう呼びかけたが、ポーランドでは街中の様子はどうなっているのか。

「一部の大都市では、お店が閉まり始めた頃にトイレットペーパーなどの買い占めが起きていましたが、物流が止まっているわけではないので、それもすぐ落ち着きました。ただ、飲食店はテイクアウトやデリバリーのみの営業になっていますし、銀行や薬局、スーパー以外は閉まっているので、街はゴーストタウンになっていますね。公園なども閉鎖になったり、遊具が使用禁止になっているので、人気の少ない森で散歩する人が増えています」

 また、営業を続けている店でも警戒は厳重だ。

「大きなスーパーではレジに囲いを設置したり、店員がヘルメットのようなものを被っているのを見かけます。小さいスーパーではドア越しに郵便受けなどを使って現金と商品を受け渡したり、レジの前にテープを貼って近づけないようにしている店も。銀行や薬局も、店外で距離を開けて並び、1人ずつ入店するようになっています」

 感染拡大に歯止めがかからなければ、日本でも同様の光景を目にすることになるかもしれない。

それまでの生活が一変

 大きなパニックは起きていないが、確実に生活は一変している。人々は状況の変化に適応できたのだろうか。

「ヨーロッパでは、イタリアで感染が拡大したことが人々の目を覚ますことになりました。自粛要請を無視して出歩くことで、被害が拡大していく様子が毎日報道されていたので、ポーランドやそのほかの国でも、外出禁止や公共交通機関の利用自粛が決まったときは『仕方ないな』というムードでしたね」

 とはいえ、急激に意識が改善されたわけではない。やはり、当初は「自分たちは大丈夫」という楽観的なムードが漂っていたという。

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