キッチンカーの料理が「カレーとタコライス」ばかりである理由
油汚れが地面に染み込んでしまうことも
――飲食店となると食品衛生面にも注意する必要がありますよね。
向:開業にあたって事業者の方には保健所の許可を必ず取ってもらっています。それに加えて、弊社のルールブックに則って営業してもらいます。
一例として、厨房に入る際は外履きから内履きに履き替えることを明記しています。本来、飲食店にはコックシューズがあります。外出時に履いていた靴には何かしらの菌が付着していますから、それを履いたまま厨房に入らないというのは当たり前ですよね。
フードトラックだと、法律面での取り決めが固定店舗ほど厳しくはないんですよ。弊社としてはフードトラックも飲食店と同じだと考えているので、同様のルールを設けています。
あとフードトラックならではのところで、厨房の油汚れとかが付着したまま外を歩き回ると、地面に油がしみ込んで、足跡がそのまま残ってしまうこともあります。油汚れを除去するにはそれなりの清掃費がかかってしまいますし、誰にとっても不利益しかありません。トラブルなく営業現場を使用するためのルール遵守をお願いしています。
とにかく続けていく覚悟が必要
――読者の中には記事を読んでフードトラックに興味を持たれる方もいらっしゃるかと思います。
向:自分のやりたいことが何なのかを突き詰めて考えて欲しいということをお伝えしたいです。やりたいことのためにフードトラックが最適なのか、「フードトラックで流行りものを売ったら売れる!」といったお話を聞かれてフードトラック開業を検討されているのであれば開業をオススメしません。
開業してすぐ高い売上をあげる方は少ないです。そのため売上を高めていく改善・努力を継続していく必要がありますし、何よりその覚悟が必要だと思います。その覚悟がもてるだけでの思い入れのある商品であれば、きっとお客様にも伝わり買っていただけるはずです。
<取材・文/目黒川みより>