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大阪発祥「スパイスカレー」の次に流行るカレーとは?

暮らし

五輪にちなんだカレーやカレパが流行

カレー・オブ・ザ・イヤー

22日の「カレー・オブ・ザ・イヤー2020」の模様。カレールウ部門に「ワンプロキッチン特製カレー」(エスビー食品株式会社)、企画部門に「飲むカレー CARRY CURRY」(株式会社フェリシモ)等が受賞した

 東京オリンピックという国民的行事が開催され、多くの外国人観光客の来訪も予想される2020年、カレートレンドについては「オリンピックに絡めたカレーやベジタブル中心のカレー、内食ではカレーパーティー(カレパ)が流行るだろう」と予測する井上氏。

「アスリート向けの高タンパク低カロリーなカレーや、ビーガンカレー、ハラルカレーなど野菜中心のカレーが増えるのではと予想しています。さらに、自宅でもお店で食べるような本格的で美味しいカレーを作れるようになったので、ホームパーティにカレーを取り入れた『カレパ』も盛り上がるのではと考えています。

 欧米スタイルのホームパーティが浸透してきたことと、食卓を飾るカレーやトッピングの工夫次第では、SNS映えも期待できることからも、カレパが2020年のキーワードになるかもしれません」

 また、美味しいカレーを作るための秘訣について伺うと「五味を意識すること」だと話す。

「甘・辛・酸・苦・旨の五味のバランスが大事です。甘味や旨味を強調したものを作ると、総じて美味しいと感じやすいといわれています。一番は普段食べ慣れている味のカレーを軸に、五味を意識してみるといいのではないでしょうか」

カレー業界のインフラ作りを目指す

 井上氏が2008年に設立したカレー総合研究所では、カレー業界の発展に寄与するべく、カレーの歴史や知識を体系的に学べる「カレー大學」を主宰している。カレーの魅力について「これほど会話の題材になる食は他にないのでは」とし、カレー文化発展に尽力する理由について話した。

「カレーが魅力的に思うのは、どんなに追究しても幅広く奥深いので先が見えないこと。歴史や知識を学んでも、予測できない勢いでカレーはこれからも進化し続けるでしょう。このようなことから、カレー業界にポテンシャルを感じているので、カレー業界の発展に少しでも貢献できればという想いを持って活動しています。

 カレー自体は知っているけど、ビジネスで失敗する人や企業は多い。よかれと思って作ったカレーが全く売れないというのを幾度となく見てきました。今後はカレー大學やカレー・オブ・ザ・イヤーなどを通してカレーの魅力を発信し続け、私が培ってきた知見を生かしてカレー業界のインフラ作りができればと思っています」

 老若男女問わず、日本のソウルフードとして愛されるカレー。今後はどのようなカレーが世の中に登場するのか注目していきたい。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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