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副業で月商100万の会社員「貸し会議室は手堅い商売です」

コラム

名古屋ならではの「貸し会議室需要」

 Kさんがレンタルスペースを出店する、名古屋のマーケット事情についてこう述べます。

「名古屋は東京や大阪に比べて街の規模が小さく、マーケット自体の規模も小さいですが、レンタルスペースの数自体も多くないので、需給のバランスはちょうど良い印象です。東京と大阪の真ん中にあるので、東京と大阪のスタッフが名古屋で集合して、ミーティングを開くという需要があります」

 名古屋ならではの会議室のニーズが存在するとしています。ただし、名古屋ならどこでも成功するわけではありません。

「名古屋のなかにも、人口が密集して慢性的に場所不足のエリアと、そうでないエリアがあります。需要が強いのはやはり名古屋駅周辺など極一部でしょう。そういったエリアで好条件の物件を押さえることが、高稼働で運営するには不可欠です」

 Kさんによると、名古屋以外の地方都市にも需要があるはずなので、うまく開拓できれば、ブルーオーシャンとなる可能性もあり得るとのこと。さらに、出店時に抑えておきたいポイントがあるといいます。

「その都市の中心駅から近いかどうか以外に、女性目線で大きなマイナスポイントがないかも重視します。たとえば外観が荒廃している・不気味・怪しい物件だったり、水回りが不衛生、臭いが発生するような部屋は賃料が安くても借りません」

 レンタルスペースでは、女性向けのサロンや習い事で使用したいニーズがあるので、物件探しでは女性目線が不可欠とのこと。Kさんは奥さんからのアドバイスも参考にしています。

安くて50万円から開業可能

会議

Kさんの貸し会議室。女性が利用したくなる空間かどうかで売上も変わる

 不動産投資よりも少額で始められ、収益力の高さが魅力の貸し会議室。いったいいくらあれば開業できるのでしょうか。

「物件によりますが、安くて50万円前後から開業することが可能です。築年数が古い、風呂が無い、エレベーター無し3階以上といった物件は、住居としては不人気なので空室ですが、レンタルスペースとしては問題ない物件となります。そういう住居向けでない空室物件は狙い目です。物件オーナーも不人気で需要が無いと自覚しているので、交渉で初期費用を下げたこともあります」

 Kさんのレンタルスペースビジネスは月商100万円を超え、そこから賃料などの諸経費を差し引くと、1部屋あたり2~3万円程度の利益が出ているといいます。初期投資は、2年ちょっとで回収できる見込みです。

「今後は、1部屋あたりの利益を、5万円/月まであげたいので、写真の見せ方を変えたりやサイトに載せる検索ワードを工夫して稼働率が上がるようにしたいと思ってます」

 少資本ではじめられて、立地さえ間違えなければ手堅く稼げるという貸し会議室ビジネス。サラリーマン向けのアパートローン融資が厳しい昨今、注目する人が増えそうです。

<取材・文/栗林篤>

元IT企業のサラリーマン。株主優待と家賃収入で細々と暮らすフリーライター。著書に『サラリーマンのままで副業1000万円』がある

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