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1200人削減のジャパンディスプレイ。実際に働く社員からは…

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 経営再建中の液晶ディスプレイ大手・ジャパンディスプレイ(JDI)が、中国ファンドのハーベストグループから522億円の金融支援を受けることが6月28日に発表された。このうち107億円をジャパンディスプレイの主要顧客であるAppleが負担する方向で調整が進められているという。

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※画像はイメージです(以下、同じ)(C) Piotr Swat

 ジャパンディスプレイは2019年3月期決算で5期連続赤字となるなど業績が低迷しており、希望退職者1200人の募集のほか、CEOの引責辞任、金融支援を予定していた企業の交渉離脱などが相次いで発表されている。

不調が続くジャパンディスプレイ

 ジャパンディスプレイは官民ファンドの株式会社INCJが筆頭株主で、日立、東芝、ソニーのディスプレイ事業が統合した企業である。スマートフォンやタブレットといった中小型ディスプレイおよび関連製品の開発、設計、製造及び販売を主事業としている。

 半国営企業とも言えるジャパンディスプレイだが、業績低迷の理由には、Appleからの液晶パネルの受注の激減があると言われている。

 6月12日に発表された1200人の希望退職者の募集は、同月13日のリリースによると「当社を取り巻く厳しい事業環境が続くなか、固定費の更なる削減が必要であること」が理由と記されている。人員を削減し、不振のモバイル事業を縮小することが狙いだ。

 また、現在CEOを務めている月崎義幸氏は、業績低迷の責任を理由に、9月30日付で辞任することも発表されている。後任には、旧日本興業銀行出身で現在はCFOを務めている菊岡稔氏が就任する予定。なお、同社のCEOの交代は4年間で4人目となる。

 何とか立て直しを図りたいジャパンディスプレイだが、さらに追い打ちをかけるような事態が続く。6月17日には、台湾のタッチパネルメーカー大手の宸鴻光電科技(TPK)が出資交渉から離脱することが判明。続く25日には、台湾の投資銀行「富邦集団」(CGLグループ)の離脱も発表された。

 TPK、CGLグループを含む大手3社からは最大800億円の出資を期待していたが、暗雲が立ち込める状況となっている。

ジャパンディスプレイ社員の平均年収は?

 ここで、ジャパンディスプレイとはどういった会社なのかを紹介したい。

 ジャパンディスプレイが現行の形で事業を開始したのは2012年4月。2002年に日立製作所の子会社として日立ディスプレイズという会社が設立。この会社がジャパンディスプレイのルーツとなる。2002年以降、合併や統合を経て、2013年4月に現在の形に落ち着いている。

 資本金は1144億円。国内には5つの工場を含めて8つの拠点を持つ。また海外にも営業子会社と、製造子会社をアジアを中心に展開。アメリカやヨーロッパにも営業子会社を持っている。

 昨年までは世界の自動車用ディスプレイパネル出荷量で1位だったが、今年1~3月の出荷量では、韓国のLGエレクトロニクスに首位の座を明け渡している。そもそも液晶は価格競争に陥っていて、韓国・中国・台湾の低価格ディスプレイに太刀打ちできないのが現状。そこに、国策連合であるジャパンディスプレイの決断の遅さなども加わって、迷走を続けている。
 
「Yahoo!ファイナンス」によると、単独従業員は4403人。平均年齢は45歳で平均年収は706万円。「平成29年分 民間給与実態統計調査」によると、40代後半の平均給与は496万2000円なので、平均を大きく上回っている。

 経営不振が続いているとは言え、大企業連合だけあって給与面では恵まれている(それが経営上の弱点にもなるわけだが…)。

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