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IKEA、アクサ生命…LGBTフレンドリーな企業が急増。社会にも希望?

ビジネス

LGBTに取り組む企業も…IKEA、アクサ生命

 世界に370店舗を構えるスウェーデン発祥の大手家具メーカーIKEAも、多様性を取り入れる取り組みが企業の発展も促す事例として、紹介されました。

 店舗で働く従業員の制服にも、男女差がないユニセックスなものを採用。オフィスに備えられているトイレは全て個室で、性別を問わず誰もが利用することができます。IKEA社内では、同性愛者であることを隠す必要はなく、周囲も受け入れる文化が当たり前のこととして根付いています。

 LGBTの人を積極的に採用し、個人を尊重する社風を全面に押し出すことのメリットをダイバーシティ戦略担当責任者のサリ・ブロディさんは「多様な価値観をもつ人が働くことを望むので、有能な人材を採用できます。私たちが人材を求め、人材が私たちを求めるのです。また、あらゆる人のライフスタイルを尊重し、業績も上げています」と語っています。これらの取り組みは国連からも評価され、優秀な人材がIKEAに集うきっかけとなっています。

 アクサ生命保険も、LGBTの人たちが働きやすい職場環境を作っている企業として、安渕聖司社長がコメンテーターとして番組に出演しました。アクサ生命保険では、入社試験の際の応募書類に顔写真を貼るスペースや性別を記載する欄を設けない、企業としてLGBTのパレードに参加するなどの取り組みを行っているそうです。

 安渕社長は「『そもそも社会は多様である』というのが前提条件にあります。その多様な社会にお客様はいるわけですから、お客様にアプローチしていくためには、その多様性を、よく理解して社内に取り込んでいかなくてはいけない」と番組の中でコメントしています。

LGBTサポートが行き届いていない日本の実情

IKEA

CC BY 2.0

 IKEAも、アクサ生命保険の事例も、これまで偏見や差別によって存在をひた隠しにしなければならなかったLGBTの人達を当たり前に受け入れることによって、顧客の信頼やニーズを勝ち取ることに成功していると見ることができるでしょう。

“LGBTに理解ある企業”を認定している任意団体「work with Pride」が策定した「PRIDE指標」で最高のグレードである「ゴールド」と認定された団体は、2018年には130社にのぼっています。2017年には87社、2016年には53社となっており、その数は着実に増えています。

「LGBT の差別をなくすため、日本は、もっと法整備をするべきだと思いますか?」という設問には、実に72.1%もの人が「そう思う」と回答しています。また、同性婚については78.4%の人が賛成と回答しており、社会が大きく変わりつつある機運を感じます。

 その一方で、電通ダイバーシティ・ラボの「LGBT調査2018」によると、自分が勤めている企業では、性の多様性に関してサポート制度がないと回答したのは、54.5%と過半数を超えています。日本においては、まだまだサポートが行き届いていないという現状があります。

確実に、一歩ずつ変わりゆく日本の社会

「想像力とか思いやりは大事なことだと思う」
「身近にいないっていうのは思い込み。言い出せずに隠している人が多いだけ」
「LGBTの人が生きやすくなる社会は、そうでない人にとっても生きやすい社会になるはず」

 ネット上では、LGBT当事者はもちろんのこと、そうでない人からも、多様な社会への共感を示す投稿が多く見られました。人口が減少し、働き手も少なくなっている今、「替わりはいくらでもいる」と切り捨てるような企業文化は通用しなくなっています。

 日本の企業や社会も少しずつではありますが、変化の兆しが表れてきました。自分とは異なる立場の人への想像力を働かせ、共に手を取り合って生きていくことが重要なのではないでしょうか。

<TEXT/湯浅肇>

写真をメインに数多くの時事ネタやマルチメディア関連の記事も執筆。常に斬新な切り口で情報発信を目指すアラサー男子

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