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コンサル志望者がエントリーシートを「結論から理由の順」で書く理由

学び

1)採用担当者がESにかける時間は非常に短い

 前提として、採用担当者(もしくは採用代行者)は、膨大な数のESをチェックし、面接に進む人と進めない人にふるい分けします。例えばソフトバンクの場合は約5分未満と言われています(約1万枚のESを人事部10人で、約800時間かけて対応)。

 本連載第1回で書いたとおり、コンサルティング業界は非常に人気の業界であり、ESにかける時間はこの例と同様に非常に短いでしょう。

 そのため、読み進めないとなかなか結論にたどりつかない文章や、何を言いたいのかわからない文章は、時間切れになるか採用担当者から見切りをつけられる確率が高まるでしょう。よって、「結論」から先に書くことは極めて重要です。

2)ESの論理構成によっては素養を疑われる

履歴書のイメージ

 続いて、コンサルタントとしての素養についてです。ESを「結論」から「理由」の論理構成で書けていないと疑われかねません。なぜなら、コンサルタントは話すときも、書くときも、基本的にこの順序で仕事を行っており、このように文章を書けない人は一緒に働いている姿がイメージしにくいからです。

 なぜこのような順序でコンサルタントは話し、文章を書くのでしょうか。1つ目は効率的なコミュニケーションのためです。コンサルタントの相手は大企業の部長級以上であることがほとんどであり、コミュニケーションの時間は限られています。

 やはり、ここでも「結論」から伝えることで、コミュニケーションにかける時間を短くすることが重要です。結論を先に伝えて、相手の理解や状況に合わせて詳細を適宜伝えることで、必要以上に時間をかけずにコミュニケーションができます。

 2つ目には、この順序および構成で伝えるほうが主張の納得性が増すからです。後ほど具体的な例でも見ますが、「結論」から「理由」の順序となっており論理構成が明確であるほど、聞き手・読み手からの心象がよくなります。

 3つ目は、間違ったメッセージが独り歩きしないようにするためです。納品物である提案や調査資料は、形として残るものなので誰に見られるかわかりません。誰が見てもメッセージが間違って伝わらないよう、明確な論理構造で書かれている必要があります。

 実は、これらの目的のために、コンサルタントは「ピラミッド・ストラクチャー」という技法を使っています。「結論」から「理由」の論理構成というルールは、このピラミッド・ストラクチャーという技法の一部です。せっかくなので、この機会にピラミッド・ストラクチャーについて学ぶと同時に、コンサルタントがESを見るときの視点を養いましょう。

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