「若者は電話に出ない」問題。20代と40代、双方の言い分は?
ホリエモンに感化されすぎ?
都内の出版社で働く前野寛さん(20代・仮名)も、同世代の若者に対して不満の声を挙げます。
「僕の仕事はフリーランスの人と関わる機会が多いのですが、仕事相手の20代の男性は、急用で電話してもほぼ100%の確率で出ない。仕方なくメールをしても返信が遅く、正直、仕事になりません。それが何度もあり、仕事を頼むことも減りましたが」
前野さんは、ホリエモンこと堀江貴文さんや、幻冬舎の編集者・箕輪厚介さんをはじめ、電話を否定的に捉える著名人も少なくなく、彼らの主張に感化される若い人が多いのかもしれないと話します。
「ネットなどを見ると『電話は相手の時間を奪うツール』と、堀江さんたちの意見をさも自分の考えかのように言う若者も多く、僕の友人にも「電話とかまじムダ」と話す人もいて。正直『お前らレベルが何言ってんの?』とは思います。
たかだが数分の電話時間を奪われなかったとして、『その時間であなたは何を生み出せるのか?』って聞きたいですね。新時代のトップを走る方々の主張だけマネしてもねぇ…。堀江さんたちは、おそらくメールやLINEの返信は早いでしょうし」
実は前野さんも、最近の若者と同じく「電話はあまり好きではないですよ」と話します。
「それは僕だって、しなくてすむならメールなどのツールで済ませたいです。ですが、電話に出てくれない人って、かなりの割合でメールへの返信も遅いから仕方なく電話をする。で、出ない。そうなると、もうどうしようもない。一丁前な主張をするなら、せめてどちらかは常に連絡を取れるようにしてほしいです」
電話は煩わしいだけ
一方、プライベートだろうが仕事だろうが「電話は無意味」と主張するのが、都内メーカーに勤務する吉井伸一さん(26歳・仮名)です。
「突然電話がかかってきても、出る気になりませんね。そっちは俺と話したいのかもしれないけど、こっちは話したくないですし。LINEとかチャット機能があるんだから、それに送ってくれればいいだけの話です。それが今の主流じゃないんですか」
急用でどうしても電話がしたいという意見もありますが、それについてはどう思うのでしょう。
「急用って言ってくる人に限って、しょうもない用事のことがほとんどでしたから、何とも思わないです。そういうことが重なって、『もう電話なんか取らなくていいや』と僕は思ったので、それは電話をしてくる側の責任でもあるはずです。
スマホを持ってる意味ですか? それはLINEとかゲームとか音楽とか、実用性があるからです。電話をするために契約しているわけではないので」