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システム大手のワークスアプリ、筆頭株主が経営権売却か。退職した社員からは…

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業績不振による社内の混乱が……

都会とビジネスマン

※画像はイメージです

 しかしながら、業績不振を受けてか、社内の雰囲気は厳しい面もあるようだ。退職した社員の一人はその理由について、このように投稿している。

「転職の理由は大きく2つ。1つ目は、社員の意識が外(顧客)ではなく、内(社の馴れ合い、自己保身)に向き始め、仕事にやりがいを見出しづらくなったこと。2つ目は、財務状況が不安定になったこと」(システムエンジニア/20代後半男性/正社員/新卒入社/3年~10年未満/投稿時に退職済み)

 同社員の口コミからは、慌ただしい社内の様子もうかがえる。

「会社として 『世界トップレベルの人工知能搭載エンタープライズシステム』を謳うHUEのリリースに向け、ここ数年はかなり積極的な人材採用、広告宣伝に力をいれてきていたが、描いたビジョンを実現するケイパビリティが追いつかず、社内は混乱。新製品の顧客へのコミットも守れず、時間稼ぎに等しい不誠実で誤魔化すような対応が多くなった」(同前)

 会社規模が急激に大きくなったことで、実力に見合わない名ばかりの管理職も増えたという。

「遅延を取り戻すためにリソースを投入してもマネジメントがうまくいかず改善の兆しが見えず、さらなる遅延、誤魔化し対応、現場のモチベーションの低下、優秀で若手でも中間管理職を務めるようなプレイングマネージャーが離職。ヒト、金を突っ込めど製品は出来上がらない、という最悪の循環が出来上がっていた」(同前)

 加えて「キャッシュに余裕がなくなったことでヒトも十分に突っ込めなくなり、社員の昇給停止、一部製品の開発中止など、会社の勢いは完全に失っていた」と述べるなど、会社としての高い目標に組織能力が追い付かない形となっているようだ。

「こういった状況において、名ばかりの管理職は自身の保身を優先するような人が多く、そういった人のもとで、そういった人のために仕事をしなくてはいけない力学が働く組織で働き続けることは、精神衛生上も今後のキャリア上も良い影響がないと思ったため退職した」(同前)

 創業者長である牧野氏率いる経営陣が今後どのように舵を切るのか、動向に注目したい。

<TEXT/菅谷圭祐 データ/キャリコネ(運営:グローバルウェイ)>

大学受験情報誌、IT情報サイトなどでライター経験を積み、2018年よりフリー。最近の趣味は休日の農業、リサイクル業も兼業
Twitter:@sugaya_keisuke

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