モイストヒーリングとは?絆創膏づくりを通じて学ぶ「ケガの応急処置」
寒さによる冷え込みが厳しくなるこれからの季節は、筋肉が硬直しやすくなり、スポーツ時のケガのリスクが高まります。さらに、空気が乾燥する影響で肌が荒れやすくなり、特に手指は、あかぎれが起きやすい状態になります。
こうしたなか、ニチバン株式会社は2024年11月23日に行われた「天皇杯 JFA 第 104 回全日本サッカー選手権大会」にて、ケガの手当ての必需品である絆創膏づくりを体験できる「ケアリーヴ・ワークショップ」を開催。その様子をレポートします。
ケガの応急処置の啓発活動を行うニチバン
ニチバンでは、モイストヒーリング(湿潤療法)で、キズを早くきれいに治す絆創膏「ケアリーヴ 治す力」を通じて、ケガの応急処置の啓発活動を行っています。
今年の夏には、神奈川県の新江ノ島水族館にて「親子で学ぼう!おさかなと人間の“ケガ”」と題し、海の生き物と人のケガの治し方について学ぶセミナーを実施。親子54名が参加するなど好評を博しました。
そして今回、国立競技場で行われるサッカー天皇杯のスタジアム外にて開催するワークショップは、ニチバンにとっても初の試みとのことです。
“ばんそうこう先生”が教えるモイストヒーリング
会の冒頭では、ニチバン株式会社代表取締役社長の高津敏明氏が登壇し、「ケガをしたときの応急処置や絆創膏の素材に触れながら、日本で一番売れている『ケアリーヴ』のよさを体感いただきたい」と挨拶しました。
その後、同事業戦略本部の倉智一氏が“ばんそうこう先生”として、モイストヒーリングの説明を行いました。
発売から27年となる「ケアリーヴシリーズ」。その中でも、キズを早く治すのに優れている製品が「ケアリーヴ 治す力」です。
ケガをして止血すると、透明な体液(滲出液)が出てきますが、「実はこの液こそ、キズを早く治す成分が含まれている」と説明。以前までは、キズの箇所に消毒液をつけて乾かし、かさぶたを作って治すのが主流でした。しかし、そうすると体液が少なくなってしまい、キズの治りが遅くなるといいます。
「キズは乾かさずに、体液を残しておいたほうが早く治ります。これをモイストヒーリングといって、『ケアリーヴ 治す力』のパッドは体液を吸って、かさぶたの代わりになる役目を果たすため、キズを治す成分がはたらきやすいのです」(倉智氏)
子どもの笑顔があふれた「自分だけの絆創膏」を作る体験
いよいよ、絆創膏づくりの時間。当日参加した数組の親子が、絆創膏の部材を切り貼りしながら、一から絆創膏を作っていきます。
風の強い日だったこともあり、ニチバンの社員は各参加者のフォローをしつつ、テーブル上の物が飛ばないように留意していました。
絆創膏づくりに取り組む子どもたちも、普段は体験できないものづくりに夢中になっていたのが印象的でした。
工程を重ねるごとに、難易度が次第に上がっていくなかでも、工夫しながら楽しそうに絆創膏づくりに取り組んでいました。
そして、最後の仕上げは20kgの重量を誇るハンドプレス機で、好きな形にカット。一つひとつ作ってきたオリジナルの絆創膏が完成です。
子どもたちは、出来上がった絆創膏をそっと自分の皮膚に貼ってみると、その瞬間、思わず笑顔がはじけました。自分たちの手で完成させた喜びが表情にあふれ、うれしさを滲ませていました。
終了後には参加者全員にニチバン製品がプレゼントされ、子どもたちは国立競技場をバックに記念撮影。休日のいい思い出となりました。
倉智氏は「初開催のワークショップでしたが、参加者の皆さまには楽しんでいただけてよかったと思っています。今後もこのようなお客さま参加型のワークショップを開いて、ケガの応急処置法やケアリーヴの製品力を伝えていきたい」と締めくくりました。
[取材・文・撮影/古田島大介]