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東大から出版業界へ…29歳女性が悩む「逆学歴コンプレックス」

コラム

「東大なのにお茶の淹れ方も分からないの?」

「これらの仕事にももちろん全力で取り組んだのですが、何かにつけ『東大のクセに気が利かない』と言われて……。お茶を淹れれば『もっと濃く淹れなさいよ! 東大なのにお茶の淹れ方も分からないの?』って、いやいや東大に通ったからって何でもかんでも知ってるわけじゃないですから!」

 牧野さんの職場での「東大卒」に対する固定観念は、想像以上に強いものでした。

「『東大の人って、やっぱり雑用はくだらないからやりたくないと思ってるんでしょ?(笑)』と嫌味をぶつけられたこともあります」

「どうして東大卒なのにこんな点数なんだ!」

ショック ビジネスマン

 牧野さんにとって「東大卒」が重荷となったのは、通常業務だけではありません。会社が人事採用の一環として知能指数を判定する試験を導入した際、若手社員はテスト代わりにその試験を受けさせられたそう。

 その試験で“二流大卒”の他の社員よりも低い点数を叩き出してしまった牧野さんは、社長から直々に呼び出され、「どうして東大卒なのにこんな点数なんだ!」と懇々と説教されたと言います。

「『東大卒なのに採用試験の点数が低い』ということは、実務と何か関係があるのでしょうか? こんなふうに、何をしても色眼鏡で見られます。在学中から覚悟はしていましたが、ここまでとは……」と、牧野さんは嘆きます。

「私がいわゆる『デキる女』でなかったのも災いしていると思うのですが、今では初対面の相手に学歴を話すのが怖くて、聞かれてもはぐらかしています」

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