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ガーシーのNHK党、参政党がまさかの議席獲得…参院選の真価が問われるのは6年後

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ネットを活用して台風の目になった参政党とNHK党

 今回の参院選は、ネットを活用した選挙活動も目立ちました。これまでの選挙戦でもSNSをはじめとしてネットの活用は模索されていました。しかし、大きな効力を発揮しているとまでは言えず、各候補者も限定的な使用にとどまっています。もっともネットを活用していたのが参政党とNHK党です

 参政党は政党助成法が定める政党要件を満たしていないので、政治団体という位置づけでした。政治団体のために、テレビなどの党首討論には呼ばれません。テレビ・新聞などのメディアで扱われていなかったのです。

参院選

参政党はネットで支持を拡大。神谷宗弊候補(右)が当選

 露出が少ないというハンデを負っていたので、当初は存在感を示せずに終わるとも囁かれていました。しかし、ネットで支持を拡大していき、全国比例で1議席を獲得し、神谷宗弊候補が当選しています

 NHK党は2019年の参院選で政党要件を満たしました。そのため、今回の選挙は“正式”な政党としてテレビの党首討論にも呼ばれています

 そのNHK党は全国比例から「ガーシー」こと東谷義和候補を擁立。東谷候補は芸能人と深い交友関係があり、それらを暴露するYouTuberとして若者を中心に絶大な人気がありました。東谷候補はドバイ在住のため、選挙活動はネットを中心に展開。有権者の前に立って、演説などはいっさいしていません。

 それでも東谷候補は当選。選挙におけるネットの力が大きくなっていることを実感させる当選者でした

存亡の危機に立っていた社民党

参院選

福島瑞穂候補が当選を果たすとともに、得票率2%超を満たして政党要件を確保した社民党

 こうした話題に隠れた形になりましたが、今回の参院選で存亡の危機に立たされていた政党もありました。それが社会民主党です。前述したように、政党助成法が定める政党要件を満たさなければ、一般的に政党として認められずテレビ・新聞などからの扱いも小さくなります。

 政党要件を満たす条件はいくつかありますが、現実的に社民党が満たせる要件は「得票率2%超」でした。たった2パーセントと思われるかもしれませんが、昨今の政局では大政党にトピックスが集まり、小政党は埋没しがちです。そのため、票の偏在が起きやすい状況になっています。得票率2%は決して簡単なハードルではありません。

 社民党は党首の福島瑞穂候補が全国比例で出馬して当選しましたが、2パーセント超の得票率もクリア。政党として生き残りました。

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