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LINEスタンプの誤送信で知った、知人女性の秘密「気持ちに嘘をついていた」

コラム

LINEスタンプクリエイターの正体

LINE

 その一件の後、アヤさんはしばらくの間活動を欠席することになり、ヒロさんは彼女と会うことがなくなりました。そんなある日、ヒロさんがNPO法人の事務所へ向かうと、玄関のポストに郵便物が届いていました。

 受け取ってみると、それはアヤさん宛のものだったので、ヒロさんはその郵便物を彼女のデスクへ置くことにしました。その際、ふと彼女の机の上に置かれていた書類に貼られた付箋に目がいったそうです。その付箋には、どこかで見たような羊のマークが描かれていました

「この付箋を貼ったのはアヤさんだと聞いて、何か頭に引っかかるものがあったんです」

 ヒロさんは、アプリを開き、自身の持っているLINEスタンプのクリエイター名を確認しました。スタンプのクリエイターの名前はヒロさんの予想通り、アヤさんと同じものでした。

ファン同士の心持ちに感服

アヤさんは、僕の気に入っているスタンプのクリエイターだったんです。彼女の心情を推し測ったら、いてもたってもいられなくなってLINEをしました。LINEには、僕なりのアヤさんへの精一杯の謝罪と、本当のことを素直に伝えた文章を送りました。文章の最後には、スタンプのファンであることも伝えました」

 しばらくして、アヤさんから返信が来ました。そこには、自分のスタンプを使ってくれている人間がいて嬉しかったこと、そして、それをけなされて悔しかったことなどアヤさんの心情が赤裸々に書かれていました。そして最後には、これからもファンでいて欲しいという言葉と共に、プレゼントが贈られてきたそうです

LINE

「開いてみると、それはアヤさんの新作LINEスタンプでした。後から聞いたのですが、アヤさんは休暇中、悔しさをバネにスタンプを作り上げていたのだそうです」

 ヒロさんは、この時知ったアヤさんの真っ直ぐな心の持ちように感服し、自身も人として研鑽しようと心に誓ったそうです。時には大きな対人トラブルの原因となりうるLINEの誤送信ですが、全く意図しない行動であるからこそ、相手の思いがけない一面を知ることができるきっかけになる側面も持ち合わせているのかもしれませんね。

<TEXT/ベルクちゃん>

愛犬ベルクちゃんと暮らすdigiart(デジアート)の担当者です。音楽心理学に基づいた「耳で飲むお薬®」をはじめ、メンタルヘルスに効果的な音声素材を独自のmeditone®テクノロジーで開発している会社です。心地良い睡眠、上質なリラクゼーションなど、心の弛緩をiOS・Androidアプリ向けに配信中。
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