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口下手な父親から「就職の最終面接前」に送られてきた1通のLINEに感動

コラム

最終面接の前日に実家に電話したら…

 ようやく就職活動に明るい兆しが見えてきたのは、大学4年の秋頃になってからでした。とある企業の最終面接までこぎつけ、いよいよ面接日が明日に迫っていたのです。しかし100社近い企業に落とされてしまった隆也さんは、すっかり自信をなくしていました。そしてとうとう不安に押しつぶされそうになり、意を決して実家に電話をかけたのです

「たまたま母がいなくて父が出たんです。そのときは相手が誰でも良くて、とにかく不安を電話口でぶつけて最後は泣きながら話していました。父はアドバイスをするわけでもなく、たまに相槌を打ってくれるだけでしたが、それでも僕の心は軽くなったんです」

 自分の不安やこれまでの葛藤を一通り話し終えると、隆也さんは驚くほど冷静になっていました。そして急に恥ずかしくなり、『ごめん』と言って一方的に電話を切ってしまったのです。そして迎えた最終面接当日……。

人生の先輩として父から学びたい

 気持ちを発散できていたせいか、面接当日の隆也さんはだいぶ前向きな気持ちになっていました。出かける準備をしていると、まさかの父親から「隆也なら絶対に大丈夫だ」と言うLINEが送られてきたのです

LINE

「父からこんなに長文をもらったのは初めてでした。僕なら大丈夫、自慢の息子だから、自分らしくと、父なりの励ましの言葉がたくさん並んでいたんです。ちょっと泣きそうになるのをこらえるのが大変でしたが、そのLINEでとても勇気が湧いてきました」

 父親からのLINEを見て不安が少しずつ取り除かれていくのを感じた隆也さんは、面接でもこれまでで一番うまく話すことができたそう。そしてその結果はもちろん合格。父親は合格を知ったときも「おめでとう」と言うだけでしたが、とても喜んでくれているのを感じられたといいます。

「父は口下手なだけで、ずっと愛情を注いでくれていたんです。これからも人生の先輩として父からたくさんのことを学んでいきたいですし、家族として一緒に過ごせる時間を大切にしていきたいと思っています」

<TEXT/つる>

食べること、お酒、音楽、辛いものが大好き。30代になっても派手髪から抜け出せません。外に出るのはお酒が待っている時だけという姿勢を崩さず、今日も適当に生きています

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