最新iPhone 13 Proのスゴい「カメラ機能」。進化したポイントを使い尽くす
手ブレ補正機能には明確な違い
動画を撮ることが多い人にとって気になるのが、全モデルに搭載された「センサーシフト光学式手ぶれ補正」の実力だろう。これは、「iPhone 12」シリーズでは、最上位モデルのPro Maxにだけ採用されていた高度な手ぶれ補正機能だ。
2台のスマホを装着できるホルダーを使い、同機能が非搭載だったiPhone 12 Proと、iPhone 13 Proで同時に動画を撮影してみた。
ホルダーを片手で持ち、やや早足で歩きながら撮影。動画を同時再生して比較してみると、12 Proの映像はかなりガタつきが出ているのに対して、13 Proではそれがかなり解消されている。
動画撮影で手ブレを防ぐには、端末の動きに合わせて傾きを調整するジンバルとよばれる機器を使う方法もあるが、常に持ち歩くものではない。手持ち撮影でここまで手ブレを防ぐことができると、より気軽に動画撮影を楽しめるようになりそうだ。
「映画が撮れる」目玉機能の実力は?
今回の新機能のなかで特に注目度が高いのは、「シネマティックモード」だろう。これは、動画撮影時に被写体を認識して背景をぼかす機能だ。被写体が動けば自動で追従し、被写体がフレームアウトしたときに背後に別の被写体がいた場合はそちらに焦点が移動する。
通常の動画撮影の場合、画面全体にピントが合った状態となるため画一的な映像になりがちだ。背景をぼかすことで「見せたいものに焦点を合わせて他をぼかす」という映画で使われる表現手法を使った撮影が簡単に行えることがメリットといえる。
アウトカメラ、インカメラともに利用可能で、人物だけでなく動物も被写体として自動認識される。猫を撮影してみた。
カメラアプリで「シネマティックモード」を選んで撮影を開始すると、目の前にいる猫に焦点が合い、背景や手前に写り込んでいる別の猫は大きくぼやけている。
スマホを動かし、手前の茶白の猫にカメラを向けると、今後はこちらの猫に焦点が合う。
さらにすごいのは、焦点の位置を撮影後に変更できることだ。「写真」アプリから撮影した動画の編集画面を開くと、現在焦点の合っている場所に黄色い枠 が表示される。
画面内に別の被写体が写っている場合、選択可能な焦点の位置として白い枠が表示されているはずだ。
写真奥に写っている猫をタップで選択すると、奥に焦点が移動して手前がぼやける。撮影時に思い通りに撮れなかった場合でも、後から柔軟に修正できるのは便利だ。
日頃からペットや子どもの動画を撮影してSNSに載せることが多い人なら、かなり「使える」機能ととなりそうだ。背景をぼかすことで、自宅の見せたくない場所や屋外の撮影で背後に映り込んでしまった他人などをさりげなく隠してくれる。