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「仕事中毒」になる人の意外なメカニズム。原因は脳のしくみに

学び

ワーカホリックになる脳のメカニズム

ワーカホリック

 ワーカホリックになるのも、妻を見たら怒鳴るDV夫になるのも「生理的報酬」の効果です。「これ以上頑張ったら体を壊すから休んだほうが良い」とか、「妻を苦しめてはいけない」などと「第二信号系」が判断し、決意しても、過去に仕事の達成や妻を支配することの達成により「生理的報酬」が生じることが反復し、そうした行動が「第一信号系」に強く定着していたら、そうした行動の「反射」による作動は「第二信号系」を凌駕します。

 そのような「第一信号系」は、「第二信号系」に強い影響を与えるので、「仕事のやりすぎは体に悪いかもしれないけれど、やはり、私は死ぬ気で頑張るのが信条だ」とか、「妻を怒鳴っても殴るよりはマシだ」などと「第二信号系」の思考をゆがませ、従えます。結果、人間は自他の心身を破壊してしまいます。

 DVを受ける妻が暴力夫から逃げられないというのも、殴られても「死んではいない」ことから、「第一信号系」が「防御」に成功した「反応」を生じ、従って「生理的報酬」が生じ、それまでの夫の命令に従うという行動が定着するからだと平井医師は言います。

 いくら「第二信号系」が「逃げなくてはいけない」と指令を出しても「第一信号系」の無意識の「反射連鎖」が妻の足を止めてしまうとのことです。

<TEXT/小早川明子>

カウンセラー。NPO法人「ヒューマニティ」理事長。1959年、愛知県生まれ。中央大学文学部卒業。1999年、会社経営時にストーカー被害に遭ったことを契機に、ストーカー問題、DVなど、あらゆるハラスメントに対処する活動を開始。著書に『やめたいのにやめられない 悪い習慣をやめる技術』(フォレスト出版)など

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