動かない上司を動かすために、部下ができる「社内調整」の裏ワザ
相手を動かす方法論:その2
テクニック② コンフリクトのマネジメント
また、「コンフリクトのマネジメント」という考え方もあります。
コンフリクト(対立)が起きたら、まず状況を分析してから対処しましょう。いきなりコンフリクトの処理に向かうのではなく、問題の性質や根底にある要因を分析・理解することが大切です。
問題の分析をするためにも、普段から相手、つまり社内の人について知ることが必要ですね。相手の判断基準やバックグラウンド、組織におけるバックグラウンドを掴んだ上でコミュニケーションをした方が理解が早くなります。
ぜひ、「この案件に対して、彼/彼女はどう思っているんだろう?」と仮説を立てながらコミュニケーションしてほしいですね。
若手が「相手を動かす力」を身につけるために
とはいえ、上司とまだ力の差がある若手ビジネスパーソン。いきなりこれらの考えを使いこなすのは難しいかもしれません。コンフリクトが起きても動じないためには、日々の積み重ねが大切です。
では、どのような積み重ねをしたらよいのでしょうか? 若手ビジネスパーソンには、3つの努力の方向性をおすすめします。
1つ目が、現場での情報収集です。世の中の変化は、まさに現場で起きていますよね。その現場を一番見ているのは、若い部下の方なんですよ。上司が意思決定するうえで、正しい現場の情報を届けてあげる。例えば、顧客の心がどう変わっているのか、クレームが起きた原因は何だったのか。良いことも悪いことも、現場に近い部下だからこそ掴めている情報を上司に伝えることで、重宝がられることがあります。情報に関して、上司は部下に依存しているともいえますね。
2つ目が、アイディア出しです。情報技術が発達していくなかで、提供すべき価値も変わっていく。正直なところ、この先の社会変化を想像できていない上司も多いんですよ。例えば具体的な事業の案など、上司たちに対してどんどんアイディアを出すことが、若手の価値を上げることにつながります。私自身も、企業研修の講師を務めるとき、若い人たちの発想に驚かされることが多々あります。
3つ目は、実績を作ることです。特に若い人は、結果を出すことに執着した方がよいです。やはり、ビジネスの場で周りの人が相手に期待するのは、結果を出せるかどうか。実績は信頼にもつながります。信頼が個人の力になり、コンフリクトに対処しなければならない局面に陥ったときにも、相手を動かしやすくなる。だから、今与えられたものに対して一生懸命取り組むことが大切なんです。