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なぜバフェットはコカ・コーラの株を買うのか?「テーマ投資」社長に聞く

コラム

「お客さんが買いたいテーマを作るだけ」

――たしかに似たインデックスファンドが複数あったりします。

甲斐:そもそも投信だと「コスプレ」というテーマでの組成は難しい。それには理由があって、お金が集まらないと投信は組成できないんです。お金を集めることが主目的なので。一方、僕たちはお金が集まるかどうかが軸ではない。お客さんが買いたいテーマを作るだけなので。そこは大きな違いですね。

――ニッチなテーマに対応できるのが強みということですね。

甲斐:もうひとつの強みとして即時性もあります。投信だと目論見書の準備などで、組成に最低でも2~3か月かかる。それだけ時間がかかれば、今の時代トレンドがひとつ終わっていても不思議ではありません。一方、僕らの場合、テーマを組成するのに月単位で時間がかかることはなく、時機を捉えたテーマも作っていけます。

――テーマ投資では、信託報酬みたいなランニングコストは発生するのですか?

甲斐:まったくかからないです。取引手数料として入り口で0.5%、出口で0.5%かかるだけです。1銘柄の最低手数料として50円(税抜)からになります。

テーマ投資の中身はどうやって決まる?

テーマ投資

関連度がどれだけ高くてもリスクが高すぎるのであれば除く

――テーマ投資で個別銘柄を選定するロジックはあるのですか?

甲斐:そこはけっこう裏でゴリゴリやってる部分です。個別株を選ぶ時に基本的にはファンダメンタル分析になります。売上高とか経常利益、予想データも含めて10くらいのファクタを並べてスコアリングしています。

――特に重要なファクタはありますか?

甲斐:一番始めにしているのが流動性での足切りです。流動性が低いと取引が正常に行えないリスクがあり、加えて値動きのリスクも大きいです。このように、流動性が低い銘柄に投資することはリスクが高すぎるので、初心者には向かないと思います。そのため、定量的な基準を設けて、当社のほうで対象から除くということを行っています。関連度がどれだけ高くてもリスクが高すぎるのであれば除きます。

――テーマとの関連度合いの高さも重要ではないですか?

甲斐:「テーマ投資」である以上重要ではありますが、やはりリスクが高すぎる銘柄に手を出すのは投資初心者には向かないと思います。バランスが重要なのです。投資対象を絞り込んだうえで、ファンダメンタルを見て、有望企業を10社選びます。最後にキャリア30年のファンドマネージャー2人の定性評価もいれて、テーマ内の銘柄を決めています。銘柄を持つ割合は数式で決まっています。

――自分で「テーマ投資」の銘柄は入れ替えられますか?

甲斐:それは出来ないです。「テーマ投資」は投資初心者の人に使ってほしいので、選択肢が増えるとサービスとして難しくなるからです。どんどん個別株取引に近くなってリテラシーが上がる。これは取捨選択の問題で、僕たちは「銘柄は選べない」というところを大事にしている。お客様は、バランス型、ディフェンス型、グロース型、バリュー型 といった投資スタイルは選択できます。

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