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中国へのビザなし渡航が再開し滞在期間が30日に!入国の手順や注意点は?

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中国へのビザなし渡航が再開し滞在期間が30日に!入国の手順や注意点は?

数多くの日系企業が進出し観光資源も豊富な隣国・中国。コロナ禍により停止していた短期滞在ビザ免除措置が、2024年11月30日から再開しました。観光や商用を目的とした30日以内の滞在であれば、ビザを取得することなく中国へ渡航できます。この記事では、中国へのビザなし渡航の概要と入国の際に留意すべきポイントをお伝えします。

滞在可能期間が15日から30日へ大幅延長

2024年11月22日、中国政府は日本人が中国に入国する際の短期滞在ビザの免除措置を11月30日から再開すると発表しました。ビジネス、観光、親族や知人の訪問、相互訪問、トランジットを目的として中国に入国する際に適用されます。

この措置は「試験的なビザ免除措置」と位置付けられ、日本を含めた38カ国のパスポートを所持している人を対象に、2025年12月31日まで適用される予定です。

中国の短期滞在ビザ免除措置は以前から存在していましたが、新型コロナウイルスの影響により、2020年3月10日から一時停止されていました。実に約4年半ぶりの再開となります。

今回のビザ免除措置の大きな違いは滞在可能な期間です。以前は15日間だった滞在期間が、30日間に延長されました。

入国の手順は2019年以前と同じ

それでは、実際にビザ免除を利用して中国に入国する際の手順を説明します。

ビザ免除措置が再開されてから、筆者も実際に中国へ渡航しました。

観光や商用などの目的であれば、事前にビザを取得する必要はありません。飛行機や鉄道、フェリーなどの交通手段を利用して中国に入国します。

イミグレーションでは、パスポートとアライバルカード(入国カード)の提示が必要です。カードは機内で配布されるはずなので、事前に記入しておきましょう。筆者は香港国際空港からフェリーで中国に入国(入境)しました。

中国アライバルカード表
アライバルカード表 撮影:筆者
中国アライバルカード裏
アライバルカード裏 撮影:筆者

必要事項を記入する際に見落としがちなポイントとして、船や飛行機の便名があります。飛行機の場合は比較的確認しやすいですが、船や鉄道を利用する場合は便名を確認する機会が少ないため、事前に控えておくことをおすすめします。

また、滞在先の住所も重要です。アライバルカードに記入するため、事前に滞在先をしっかり確認しておきましょう。ホテルや宿泊施設の場合は、予約確認書などを用意しておくとスムーズです。

イミグレーションを通過する際、自動化ゲートを利用する日本人を見かけるかもしれませんが、所定の手続きを行った長期滞在ビザを保持する人たちの可能性が高いです。ビザ免除措置を利用して入国する場合は、入国審査官がいる窓口に並びましょう。

この時、アライバルカードに記入漏れがあると、追加で質問をされることがあります。書類に不備がないよう正確に記入しておくことが重要です。パスポートのチェックだけでなく、顔写真の撮影や指紋の採取も行われるので、人数が少なくても想像以上に時間がかかります

ちなみに、以前は出国の際もカードへの記入が必要でしたが、2025年1月現在はなくなっているようです。

パスポートの有効期限と滞在日数に注意

短期滞在ビザ免除措置を利用して中国に入国するにあたって、気をつけるべき点がいくつかあります。

まず、滞在期間の30日間のカウントです。中華人民共和国駐日本国大使館によると、入国した日から30日目の24時まで連続して滞在が可能とされています。つまり、入国した日は1日目となります。

滞在可能な30日を超えた場合、合理的かつ正当な理由がある場合に限り、現地の出入国管理機関にて停留許可の申請を行う必要があります。オーバーステイが発生しそうな場合は、早めに必要な申請や手続きを行いましょう。

次に、利用の目的についてです。回数に制限はありませんが、短期間に何度も入出国を繰り返すと、本来の目的と判断されない可能性があります。例えば、広東省の深圳から隣接している香港やマカオに入境すると、中国を出国した扱いになります。その後すぐに再び中国に入国(入境)すれば、最大で60日滞在できるというわけですね。

このような不審な入国履歴が確認された場合、入国を拒否される、または強制退去処分となる可能性があります。

筆者も長期滞在が可能なビザを保持して深圳に居住していた時期があり、香港を頻繁に訪れていましたが、それでも中国側に戻るときにイミグレで止められ、別室で待たされたことがありました。入国管理局は不審者に目を光らせていますので、長期滞在の場合は別途ビザを取得しておきましょう。

最後に、パスポートの有効期限についてです。中華人民共和国駐日本国大使館によると、パスポートは少なくとも中国での滞在期間を超える有効期限が必要とされています。ただし、これは中国本土に限った条件であり、マカオ、香港、台湾ではそれぞれパスポートの有効期限に関する条件が異なります。

そのため、一般的に推奨されるように、パスポートの残存有効期間が6カ月以上ある状態で入国するようにしておくと、余計なトラブルを避けられるでしょう。

ビザなしで渡航する場合でも、事前のリサーチや備えがスムーズな入国につながります。

[参考]
一方的なビザ免除政策に関するQ&A_中華人民共和国駐日本国大使館

奄美大島出身。大阪府在住のライター。 タイと中国の日本人学校に教員として通算8年間勤務。 帰国後、フリーのライターへ。 補習校講師として、オンラインで国語を教えています。

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