エレベーターの上座はどこ?立ち位置や乗り降りの順番・見送り時のマナー
仕事中に客人や上司など目上の人とエレベーターが一緒になったとき、「緊張する」という人も多いかもしれません。そんなシーンでも、正しい位置や立ち振る舞いができれば印象もアップ。スムーズな取引や上司との円滑なコミュニケーションにつながります。エレベーターを待つとき、乗る順番と立ち位置、乗っている間、降りるとき、見送り時のマナーを覚えておきましょう。
エレベーターを待つときのマナー
エレベーターを待つ際は、降りる人の邪魔にならないようドア正面を避け、左右どちらかに立って待つのがマナーです。客人や目上の人と一緒の場合は、開閉ボタンなどを押してスムーズな案内ができるよう、操作ボタン(かご操作盤)のある側で待つようにします。
エレベーター脇にスペースがない場合は正面ドアから少し離れ、できるだけ左右どちらかに寄るようにしましょう。
なかなかエレベーターが来ないときもあるので、「今日も暑いですね」「冷えてきましたね」など、天気やニュースに関するプチ会話を事前にいくつか準備しておくのがおすすめです。ただし、エレベーターホールは響きやすいので、話しかける声や笑い声は控えめになるよう配慮します。
乗る順番と立ち位置に注意
エレベーターでは、一緒に乗る人数によってマナーが違うので注意してください。
相手が1人のときは、エレベーターの外にある操作ボタンでドアを開けて「お先にどうぞ」と声をかけ、先に乗ってもらいます。相手が複数いるときは、「失礼いたします」と声をかけて自分が先に乗り、エレベーター内の操作ボタンでドアを開けて中へと誘導するのがマナー。相手が客人でも目上の人でも、同じ対応でOKです。
エレベーター内では、入り口から向かって奥が上座で、最上席は左奥(①)。客人や目上の人と乗るときは、エレベーター内での下座「末席(まっせき)」にあたる操作ボタン付近(④)に立ちます。ただし、お尻や背中を向けるのはNG。不自然にならないよう壁側に背中を向けて立ち、操作ボタンを操作するようにします。
エレベーターに乗っている間のマナー
外部の人が一緒に乗ることもあるエレベーター、情報漏洩を防ぐことはもちろん、ほかの人に不快な思いをさせないためにも、会話はしないように心がけましょう。
乗っている途中で扉が開いたときに「閉」ボタンを連打したり、目的の階層へ着くまでにスマホを操作したりするのはNGです。
操作ボタン付近にいるときは、自身の客人や目上の人だけでなく、エレベーターを利用する人すべてに気を配るのがポイント。乗ってきた人には「何階ですか?」と尋ねて希望階数のボタンを押したり、誰かが下りるときには「開」ボタンを押したりするよう配慮します。
すでに操作ボタン付近に誰かが乗っている場合には「恐れ入ります。〇階を押していただけますか?」と声をかけ、ボタン操作をしてくれた場合には「ありがとうございます」などときちんとお礼を伝えるようにしましょう。
エレベーターから降りるときのマナー
操作ボタンの「開」ボタンを押しながら「お先にどうぞ」と声をかけ、自分よりも先に客人や目上の人を降ろすようにします。このときの順番は、「客人→上司→先輩」。そして最後に、自分が降ります。
誰かが操作ボタンを操作してくれているときも基本的には「客人→上司→先輩→自分」の順番で降りますが、エレベーター内が混雑しているときは別。スムーズな乗り降りを優先することが大事になるため、ドア近くに立っている場合には「お先に失礼いたします」と声をかけ、客人や上司より先に降りて問題ありません。
見送り時のマナー
客人は、エレベーターホールまで見送るのが基本。エレベーターホールまで案内する際には、「本日は遠方よりお越しいただき、ありがとうございました」など感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
エレベーターに客人が乗り込んだら、「ありがとうございました」と笑顔でお礼。扉が閉まるまで頭を下げて見送るようにします。
マナーも重要ですが、まずは相手に感謝の気持ちを伝えたり、相手に気持ちよく過ごしてもらう振る舞いを考えたりすることを忘れないよう行動したいものですね。
images: PIXTA