中国発ローカルフードチェーンといえば「黄色い服の男」とパックマン?
食の大国・中国。人口は14億人を超え、国土は日本の約25倍の広さ。日本で中華料理といえば、餃子や天津飯、酢豚、回鍋肉などをイメージしますが、中国現地では、それぞれの省や自治区独自の料理や食文化が大きく異なります。この記事では、地方の違いが日本よりも大きい中国でも、全土に広まっている外食チェーンを2つご紹介します。
黄色い服を来た男性のイラストがトレードマークの「真功夫」
中国の空港や鉄道駅、ショッピングモールなどでは黄色い服を着た男性が描かれた飲食店を目にします。このお店、その名も「真功夫」(日本語に近い発音で表すとジェンゴンフー)。中国で初めて全国展開を果たしたローカルフードチェーンです。
独自に開発したコンピューター制御の蒸気キャビネットを導入し、中華料理の「標準化」に成功しました。工業化に成功したことで、シェフを必要とせず、1000食作っても同じ品質を担保できるようになったとのこと。
前身は広東省東莞で1990年に創業した「168蒸品快餐店」。「营养还是蒸的好(栄養はやはり蒸すのが一番)」とのキャッチコピーにあるように、メニューは蒸し料理が中心です。
健康志向のメニューと標準化された運営モデルで都市部を中心に注目を集めました。2020年時点で中国に600店舗以上を展開しています。
店舗にもよりますが、真功夫には以下のようなメニューがあります。円の価格は1元20円として換算しています。
• 乌鸡汤(烏骨鶏スープ): 約20元(400円)
• 排骨饭(スペアリブご飯): 約25元(500円)
• 香汁排骨(特製ソーススペアリブ): 約30元(600円)
• 卤肉饭(魯肉飯): 約22元(440円)
• 云耳老鸭饭(キクラゲ入り老鴨ご飯): 約28元(560円)
ご飯に具をかけたメニューが多く、日本でいうところの牛丼チェーンに近い感覚のお店かもしれません。
地方政府主導で全土に広がった沙县小吃
「沙县小吃」(日本語に近い発音だとシャシエンシャオチー)は、中国全土に展開するフランチャイズチェーンの軽食店です。福建省三明市沙県が発祥で、ワンタンやシューマイ、麺類などの素朴な福建料理を安価で提供しています。一説によれば、中国全土に6万店舗以上を展開しているといわれています。
先ほど紹介した真功夫との大きな違いは、一企業による運営ではなく、沙県政府として全国展開を後押ししたことでした。
1990年代に沙県政府は、地元の人々に雇用を創出し、生活水準を向上させるために、このチェーンを立ち上げたそうです。2015年には国家商標局の承認を得て標準化を実現し、統一されたロゴやサービス、原材料の集中供給を整備しました。
忙しい時や小腹が空いたときに、気軽に素早く食べられるのが魅力。主要なメニューと金額の目安は以下になります。
・拌面(和え麺): 3元(60円)
・汤面(スープ麺): 5元(100円)
・馄饨面(ワンタン麺): 5元(100円)
・柳叶蒸饺(柳の葉形蒸し餃子): 3元(60円)
・蛋炒饭(卵チャーハン): 5元(100円)
中国のローカルの飲食街なら至る所で見かける沙县小吃。しかし、パックマンのようなイラストが表示されていなければ、正式な認可を受けた店舗ではないそうです。
沙县小吃は中国国内だけでなく、海外にも展開しています。日本でも2018年に高田馬場店がオープンしましたが、2024年現在は閉店しているとのこと。
2024年12月時点で、株式会社SHAXIAN SNACKSが日本国内の神奈川県横浜市、東京都台東区、埼玉県川口市に少なくとも3店舗の「沙县小吃」を運営しているそうです。もし店舗を訪れることがあれば、パックマンのイラストが描かれた看板が出迎えてくれるでしょう。
[参考]
最前线 | 真功夫就李小龙女儿起诉一事再发声:没侵权,不会庭外和解-36氪
关于我们-真功夫官网
沙县小吃官网_沙县小吃总部官网
【揚げものGO導入のお知らせ】世界最多の88,000店舗がその名を冠する『沙県小吃(サーシェン・シャオチー)』の日本国内店に、業務用フライヤー後付けデバイス「揚げものGO」を導入 | 株式会社アドテックのプレスリリース