スマホに特化した会計アプリでフリーランスをサポート!「会計バンク」若手リーダーインタビュー
20〜30代の若手ビジネスパーソンは、どのような視点や情熱を持って働いているのでしょうか。さまざまな企業で活躍する若手リーダーにインタビューし、彼らが直面した挑戦、成功の秘訣、そして未来へのビジョンに迫ります。今回は、スマートフォンに特化した会計アプリ「FinFin」の開発リーダーである会計バンク株式会社フロントエンジニア、田邉優起さんに開発の背景にある思いや今後の展望について聞きました。
目次
スマホだけで請求書発行や確定申告が完結できるアプリ
――まず、「会計バンク」という会社のサービスについて教えてください。
田邉:会計バンクは、ソリマチグループから生まれたフィンテックベンチャーとして、すべてのフリーランスへ新しい出会いを創造する社会基盤づくりを目指し活動しています。特にスマホを活用したアプリやサービスを展開しており、中でも主要なブランドが「FinFin(フィンフィン)」です。
「スマホ会計FinFin」はスマホだけで全自動で確定申告を完結できるように開発されており、「スマホインボイスFinFin」は、インボイス制度に詳しくない人でも請求書や領収書の作成・管理をスマホひとつでスマートに行えるアプリです。
――他社にも類似のアプリがある中で、「FinFin」の特筆すべき点は何ですか?
田邉:一番の特徴は、スマホだけで完結することです。パソコン用のソフトやWebアプリを併用されている他社さんもいらっしゃいますが、私たちの「FinFin」は最初からスマホに最適化されているデザインと会計バンク独自の対話型UXUIを搭載しています。そのため、特に個人事業主や小規模なビジネスオーナーには大変好評です。
初心者でも理解しやすい表現と親しみやすいデザイン
―― 実際にどのような職種の方が多く利用されているのでしょうか?
田邉:主に一人親方の方や、個人で営業されている美容師の方が多いです。特に、出先や職場でスマホだけで作業を完結できるところが便利だというお声をいただいています。
―― 確かにデスクワークではなく、現場での作業がメインの方にとってはスマホだけで完結するというのは大きな利点ですね。では、UI/UXの部分で特にこだわっている点について教えてください。
田邉:スマホ操作を前提として操作性を追求しています。普段からスマホを使用している若い方や女性ユーザーにとっても親しみやすいデザインと色合いが、こだわっているところです。また、専門用語に偏らず、初めて作業を行う方でも理解しやすい表現に気をつけ、新規ユーザーにも簡単に操作できるよう努めています。
――確かに、イラストやデザインがかわいらしくて親しみやすさを感じました。
田邉:多くのフィードバックを受けながら改善を重ね、これからもさらにユーザーにとって使いやすいアプリを目指していきます。
今後増える個人事業主やフリーランスをサポート
――個人事業主やフリーランスの方に向けてサービスを展開されているのは、どうしてですか?
田邉:もともと弊社グループ全体として中小企業向けのサービス提供を主流としてきましたが、特に2020年以降急増している個人事業主やフリーランスの方々は、中小企業が享受できるようなメリットを受けられないことが多いという現状があります。
これからの日本経済を支える主要な層になるであろう個人事業主やフリーランスの方々に向けたサービスを提供し、その業務を円滑に進めるためのアプリを提供することが我々の目標です。弊社代表もその思いを強く抱いています。
――それは本当に心強いですね。bizSPA!フレッシュでも最近、副業をテーマにした記事に力を入れており、お勤めの方が副業を始める際に役立つ情報を発信しているのですが、FinFinのアプリは、そうしたビジネスパーソンにも非常に便利だと感じます。今後の展開を教えていただけますか?
田邉:フリーランスの方々が安心して仕事ができるよう、新しいプロダクトを開発中です。例えばフリーランスの方々にとっては、病気やケガなどで働けなくなるリスクがあるなど健康管理も非常に重要かと思いますが、これからフリーランスになろうとしている方が一歩踏み出せるような、安心して仕事ができるような情報提供、あるいは製品としてのアプローチを考えています。
自分の作ったサービスが人々に幸せをもたらすことが魅力
――それでは、田邉さんご自身についてもお伺いします。会計バンクの仕事に携わるようになったきっかけを教えてください。
田邉:私はもともとグループのIT企業であるソリマチ技研に勤めていたのですが、フリーランスの方々をサポートするアプリを作る構想が持ち上がりました。そこで、グループ全体のエンジニアやマネージャーを集めることになり、私もその一員として声をかけてもらったのが最初のきっかけです。
――以前から、そのようなアプリに興味があったのですか?
田邉:はい。ソリマチ技研でもUI開発に携わっていたので、ものづくりが好きだったというのも大きいです。そして、自分が作ったサービスやアプリが人々に幸せをもたらすことができるという点に魅力を感じています。今回のプロジェクトは新しい挑戦でしたが、心からやりたいと思えることに打ち込む機会をいただき、本当にうれしかったです。
――実際に挑戦することができ、そして成果も出ているのですね。
田邉:そうですね。プロジェクトの初期段階では何を作るべきか多くの議論を重ねましたが、1年を過ぎたあたりから具体的な形にできるようになりました。もちろん私一人だけの力ではなく、メンバーやリーダーの力も含めて、皆でプロジェクトを進め、今に至ります。
リーダーとして必要なのは知識やスキルとコミュニケーション能力
――いまのお仕事で、やりがいを感じるのはどんなときですか?
田邉:やはり自分たちのアイデアを実現する過程ですね。エンジニアとして、新しい技術に挑戦し、チームで実現するところに大きなやりがいを感じます。また、市場調査や戦略立案といった、プロジェクトの初期段階に関わることもありました。これまでは手を動かして開発する役割だけでしたが、情報を収集し戦略を作るプロセスを学ぶことで、新しい視点を得ることができたので、これも非常に意義深い経験でした。
――開発の前段階の仕事も興味深く感じられたのですね。
田邉:はい。当時は、上の立場の人の意図や構想をしっかり理解して、それを形にする大工のようなイメージで仕事をしていましたが、チームで設計を考え、メンバーと一緒に作り上げるプロセスは本当に楽しかったです。今も上流の設計業務に多く携わっているので、その経験が生かされています。
――さまざまな努力をされてきた中で、現在リーダーとして必要なことは何だと思われますか?
田邉:重要なのは、深い知識やスキルに加え、経営陣の意図を理解し、それをチームへつなぐコミュニケーション能力だと思います。リーダーになると自分自身が現場で手を動かす機会は減りますが、メンバーに仕事をお願いするときに、なぜその仕事をするのかを納得してもらう説明力が必要です。スキルやコミュニケーション能力、そして経営に対する理解を持つことで、チーム全体を正しく導くリーダーとしての役割を果たせるのだと日々実感しています。
――バランスが大事ということですね。
田邉:その通りです。技術的な知識だけではなく、業務知識やヒューマンスキル等、全体的なバランスが取れていることが必要で、それぞれを研いていくことで、スムーズなコミュニケーションや迅速な意思決定ができるようになると思います。
[取材・文/bizSPA!フレッシュ編集部]