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初対面の人に良い印象を残すには「つっこませる会話」が必要

学び

 正しいことを言っていても、相手にひっかからずスルーされるようだと、話自体や、関係性が発展する可能性は低い。それがコミュニケーションの難しさである。そうさせないためのコミュニケーションテクニックが「つっこませ」。

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※画像はイメージです(以下同じ)

 クリエイティブディレクターとして、また京都精華大学や京都造形芸術大学では「コミュニケーション論」講師も務める熊野森人氏。著書『うまくやる ~コミュニケーションが変わる25のレッスン~ 』(あさ出版)で、うまくいかないことの答えが見つかるコミュニケーションの取り方、考え方を披露している。

 日々たくさんの広告クライアントや学生と交流するなかで、熊野氏が見つけた円滑なコミュニケーションを行うためのテクニックとは? 今回はその中から「つっこませるテクニック」について紹介する。

大事なのはボケて「つっこませる」こと

 僕は人と話す時、コミュニケーションのテクニックとして「つっこませる」ことに注意して話をしています。例えばAさんがBさんに「おはよう!」と挨拶しました。Aさんは、無意識にBさんの返答を予測します。

1.「おはよう!」と返してくれる
2.「おはようございます」と返してくれる
3.「×××××××ます!」と『ます』だけはっきりと返してくれる
4. 無視される(気づかない)
5.「オッハー!」と返してくれる
6. その他

 というように、だいたいが4までをなんとなく想像していて、5・6を言われたら、ちょっとドキッとするか、相手に「どうしてそんなに古いんですか(笑)」とか「なんですか? それ!(笑)」などと、つっこみたくなります。別に挨拶で無理につっこませなくてもいいのですが、このつっこみが会話を膨らませてくれるのです。

 一般的なコミュニケーションのテクニックには、共感と、つっこませるという2種類があります。共感は安心を提供し、つっこませる(ボケる)は、イマジネーションを提供します。

 特にビジネスのコミュニケーションにおいて、つっこませるのは難しく感じるかもしれません。こちらがどれくらいボケられるか(ふざけられるか)は、相手との関係の深さによって表現が異なるので、誰にでも同じ表現になるわけではないのですが、そこを推し量ることも楽しいやりとりではあります。

 ただ、話の本線をわざとズラすような、クリエイティブな「つっこませる」ボールを相手に投げて、そのボールをキャッチした相手が、楽しみながら本線に戻してくれることで、コミュニケーションが深まることは間違いありません。

うまくやる ~コミュニケーションが変わる25のレッスン~

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