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電気自動車のシェアはたった1.4%!日本で普及しないワケとは?

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電気自動車のシェアはたった1.4%!日本で普及しないワケとは?

世界的に脱炭素の流れが加速する中、EV(電気自動車)の普及はもはや“時代の流れ”。ところが、日本に目を向けると、2024年のEVシェアはわずか1.4%。「意外に進んでないな……」と思うかもしれません。ではなぜ、日本ではEVが普及しづらいのか。その背景を整理してみました。

2024年のEVシェアはわずか1.4%

2024年の燃料別新車登録台数(普通乗用車)の割合

日本自動車販売協会連合会の発表によると、2024年のEVシェアは1.4%(軽自動車を除く登録車)。ハイブリッド車(HV)の61.1%やガソリン車の31.4%に比べると圧倒的に少ないことがわかります。

このように、EVの普及にはまだまだ遠い現状ですが、背景にはいくつかの要因が考えられます。主な理由を次に挙げてみましょう。

インフラの整備が進んでいない

EVの最大のハードルのひとつが「充電環境」。特に都市部の集合住宅では、自宅に充電器を設置するのが難しく、「充電できる場所がないからEVを買えない」という声も少なくありません。

国や自治体も設置支援を進めてはいますが、まだ“気軽に使える”とは言い難い状況です。

車両価格が高め

EVはバッテリーコストが高く、ガソリン車に比べて車両価格が高くなりがちです。補助金制度もありますが、それを差し引いても「手が届きにくい」と感じるユーザーは一定数います。

利便性の差が残っている

充電時間の長さや航続距離への不安、充電スポットの少なさなど、日常使いでの不便さを感じる場面もあります。特に、長距離移動が多い人にとっては、まだまだガソリン車の方が“安心感”があるというのが現実です。

4月からの法改正でEVが買いやすくなる!?

2025年4月からは、東京都の新築マンションにEV充電設備の設置が義務化されるなど、制度面の後押しも始まっています。

民間でも、野村不動産が今後開発する分譲マンションで原則3割の駐車区画にEV充電設備を導入するなど、環境整備の動きが進んでいます。

また、日産自動車の調査によると、62.0%の人が集合住宅におけるEV充電設備設置の義務化によりEVの購入意向が高まると回答。さらに、「充電設備が整えば、EVの普及は加速すると考えますか」という質問では、「とてもそう思う」「まあまあそう思う」と回答した人が73.8%に上りました。

「充電設備が整えば、EVの普及は加速すると考えますか」調査結果

つまり、インフラさえ整えばEVは選ばれやすい選択肢になる可能性が高いのです。

EV普及はこれからが本番

今はまだ1.4%という数字かもしれませんが、環境規制の強化やインフラ整備の進展により、日本のEV普及率もこれから加速する可能性があります。

普及のカギを握るのは、「使いやすさ」と「手の届きやすさ」。EVが“特別な選択肢”ではなく、“自然な選択肢”として受け入れられる未来は、少しずつ近づいてきているのかもしれません。

[参考]
燃料別登録台数|一般社団法人日本自動車販売協会連合会(公式ホームページ)
東京都マンションEV充電器情報ポータル
分譲マンションのEV充電設備、東京都の2025年より設置義務化に先行対応、プラウドシリーズ全物件で、「EV充電設備」設置率原則3割に | 野村不動産ホールディングス株式会社のプレスリリース
【日産自動車EV普及と住環境に関する調査2025年】集合住宅でのEV充電、自宅充電がないことで購入を諦めた人は半数以上。7割以上が「自宅での充電ができればEVの購入意向が高まる」と回答。 | 日産自動車株式会社 のプレスリリース

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