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ケータイ小説『Deep Love』270万部ヒットの裏側を当事者が明かす

ビジネス

「どう」伝えるかで物事は違うものに

DeepLove

『DeepLove』のコミカライズ

東:そしてこの企画は番組会議に通り、放送後、ものすごい反響を呼びました。新聞やテレビも“これは新しい形の文芸書だ”といった評価に一転。急激に認知度が上がり、大人世代への理解も進みました。

 小説の世界で、今まで文章も書いた事がない人が、新しいケータイという世界で小説を作り、ダブルミリオンセラーを達成するというイレギュラー。それを間近で見られたことは貴重でした。また自分自身も、小さい貢献ながらマスメディアにはパブリシティを出せないという当時の固定概念を取っ払ったPRを成功させることができるなど、面白いようにどんどん潮目が変わるのを目の当たりにしたのは、自分のビジネス経験上での影響力も大きかったですね

――「どう」働きかけるかで、人々の行動や評価が変わるということですね。

東:物事は、どう捉えるかによって全く見え方が変わります。ケータイ小説も上辺の情報だけを見たら、ケータイで小説書いただけでしょ、卑猥な表現をしてヒットしたんでしょって思われるかもしれない。でもそこには緻密な戦略が埋め込まれていたり、また起きている現象を含めて伝えることで、受け手のイメージも大きく変わる。まさに「どう」伝えるかで、同じ物事も全く違う物事として捉えられます。

固定概念を排除するにはどうすべきか

――固定概念を排除し、フラットなものの見方をするために、気をつけていることはありますか。

東:まずは世の中を知ることが大事だと思います。他人の意見に振り回されたり、物事をフラットで見られない理由って、自分の知識や意見がないからで、それは絶対的な情報量がないことに起因する

 ひとつのテーマに対してさまざまな情報、意見を知ることで、1つの物事を様々な角度で見れるようになる。そうすると、誰かが何か言っていても、「1つの意見だな」としか思わない。そして、結局「世の中に“正解”はないんだ」という結論になるんですよね。

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