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ケータイ小説『Deep Love』270万部ヒットの裏側を当事者が明かす

ビジネス

新聞やテレビは一切扱ってくれなかった

株式会社TWO

東:当時のガラケーの画面で一度に表示される文字数って、かなり少ないんですよね。そこでページごとのアクセス解析を行い、次のページへの離脱を極力防げるように小説の内容をどんどん変更し、かつ1画面のなかに起承転結を作り続けたんです

 結果的に、恐ろしいほど次から次へ衝撃的な事件が起きる内容になったのは、これが理由です。本をあまり読まない中高生の間で爆発的に流行ったのも、こういった刺激的な内容が受けた一面はあると思います。

 ただし当時、ケータイ小説って、言葉としてはバズってたんですけど、書籍化されたのは『Deep Love』が初。文化としてケータイ小説をどう捉えるかということは社会で様々な議論がありました。出版業界の人とか、それまでの作家さんからしたら、あんなのはエロ本だとか、小説とかいうんじゃねえ、というような声はすごくありました。そういった情勢もあり、いわゆるマスメディア、新聞やテレビは一切扱ってくれなかったんですよね。

読者の親子をリアルな“ドキュメント”に

――大手から相手にされていなかった『Deep Love』のプロモーションをやるとなった時、まずはどう思いましたか。

東:新しいカテゴリーが生まれるのは純粋に凄い、面白いと思いました。また、リアルに、毎日のように女子高生がYoshiさんの事務所にやって来て、泣きながら「この本に出会えて援助交際をやめました」「自殺をやめました」「自分を大切にしたいと思いました」などと感想を言う姿を見て、これは本気でもっと世の中に拡めたいと思うようになりましたね。誰かの救いになるかもしれないと。

『Deep Love』は、内容の過激さが目立ちますが、本質的にはすごい愛のものがたりなんです。実はYoshiさんのところには、ティーンだけでなく親世代から、「これを読んで子供の事が少し分かった気がする」「親子で最後まで一緒に泣きながら読みました」といった感想もたくさん届いていました。

 そういった実情を知って、僕は、作品そのものというより、作品を読んだ親子のリアルな姿をテレビで映してもらえたら、「ケータイ小説」に対する世の中の見方が変わるのではないかなと考えました。そこでこれをリアルな“ドキュメント”企画にして、報道番組に持ち込んだのです

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