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アプリでいくら女性と会っても虚しい…28歳ED男子が悩む「恋ができない病」

暮らし

 またAさんには、出会いにおける「方程式」のようなものがあると言います。それはこのようなパターンです。

・アプリでマッチングし、実際に会う約束をする

・1回目に会うときは軽く飲んで1~2時間で切り上げる

・2回目に会うときは約束をお昼に設定する

・ランチした後「この後どうする? 映画に行くでもいいし、家でだらだら過ごすのもいいけど」と問うと、たいてい家に来る流れに……。

自分は100%仕事をした。連絡は向こうからすべき

「終電間際の攻防とか絶対にしたくないので、2軒目に行ける時間帯であっても、1回目はサッと切り上げます。2回目のデートをお昼にするのは、向こうも安心感あるだろうし、お酒を飲まなくていいし、お金もかからないからです」(Aさん)

 お酒を飲むとより勃ちが悪くなる彼にとって、これはエッチ面、コスパ面ともに優れた方程式になっています。「これがヤリチンの編み出した勝利の方程式か……」と一瞬リスペクトしかけましたが、Aさんはこのパターンに言いようのない“不毛さ”を感じていました。

「エッチの有無に関わらず、何度か会う内に連絡が途絶えるというケースがほとんどでした。互いに付き合おうとは言わないから、半端な関係のまま徐々に疎遠になっていくんです。

 僕には変なこだわりがあって、会って『じゃあね』と別れたあと、自分からLINEすることはしないんです。というのも、僕は全力で話を聞くし、エッチだって全力で尽くしていると思ってるんですね。前戯もちゃんとやりますし。

 自分は100%仕事をしたから、その後も関係を続けたいなら、連絡は向こうからするものでしょという意識があります。来なかったら会わないし、来たら返信するというのが自分のスタンスだと思っているんですが、なんでこんなことを続けてるんだろうって、何かが目減りしていく感覚がありまして……」(Aさん)

Aさんが抱いている虚しさや閉塞感とは?

 こちらは十分サービスをしたんだから、関係を続けたいならそちらから連絡をしてくるべきだ──

 こういったAさんのこだわりからは、強い損得勘定のようなものを感じます。ともあれ、新しい女性と次々出会い、ちょくちょくエッチもしているのに、なぜか閉塞感に苛まれているAさん。その結果、「早く彼女が欲しい」「心の平穏が欲しい」という思いを強くしていると言います。

Aさんが虚しさや閉塞感を抱いているスパイラルの構造

Aさん

提供:/清田隆之(桃山商事)

 だとすると、彼の言う「心の平穏」とは何なのか。彼にとっての「彼女」とはどのような存在なのか。それを探るべく、過去の恋人について聞いてみました。

「前に付き合っていたのは2年前、合コンで知り合った2歳下の女性でした。自立している人で、こちらに依存も期待もしてこない感じがよくて付き合い始めました。

 彼女は毎週末公演を観に行くほどの宝塚ファンだったんですが、一方の僕は平日が夜遅くまで仕事で、なかなか時間が合わなかった。それで、『こんなに会えないなら付き合ってる意味なくない?』と言われ、すれ違ったまま3か月ちょっとで別れてしまいました」

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