不安が充満する時代に「絶対にやってはいけない」行為。どんな覚悟が必要か
“助けられ上手”になるとラク
もうひとつ、人づきあいでは“助けられ上手”になることも大事。人は「助けること」に対しては博士号持っている。でも、「助けてもらうこと」は幼稚園レベル(笑)。友達が熱を出したら、いろんな物を持って看病に行く。でも、自分が病気の時は誰にも連絡せず、1人こもって堪えるんです。
助けられ、助けることが多いほど関係が深まっていくし、そのキャッチボールが続くと人間関係はよくなります。
なんでそんな話をするかというと、僕が実際にやってきたから。若い時、1年間、アメリカで人の好意に頼って生活したことがあるんです。食べさせてもらい、家に泊めてもらう。人生の武者修行。全く知らない人のお世話になって、転々と泊まる場所も変えて暮らしたんですよ。お金を全然使わずに。だから、僕は居候の天才(笑)。
助けてもらう力があると、「不安」への不安は消えていきます。そういう思考を持てれば、例えば、お金の不安があっても、友達の中にお金持ちがいれば、自分のお金がなくても何とかなると思えてきます。自分が億万長者になれないなら、億万長者の友達になればいい。もしお金がなくても大丈夫、となります。だって、友達に「ごめん、ちょっと破産しちゃって、家泊めて」といえるから。
本との出合いで人生変わることも
幸福感のある人や成功者が周りにいないなら、彼らの考え方を本やYouTube から学ぶのが最初のステップとしていいでしょう。本との出合いで、人生が変わることだってありますから。僕の場合は、アンソニー・ロビンズさんですね。
『一瞬で自分を変える方法』は、僕の「恩書」でもあります。大好きな言葉に「人は1年でできることを過大評価する。でも10年ですることを過小評価する」があります。行動を続けていくことが、どれだけ価値があるのか。ものすごい気づきを得られましたね。
この本との出合いには続きがあります。ある時、著書の版権を持つ三笠書房の社長さんとお話しした際、恩書について尋ねられました。アンソニーさんの本の話をしたら、「現代向けに」と翻訳を依頼されました。
そうしたら、倉庫で眠っていた本が何十万部も売れたんです。それをきっかけにアンソニーさん自身が来日して、翻訳を担当した僕も大きな信用がつきました。恩返しとして翻訳をしたら、また恩をもらった感じです。今の時代は、逆にあのアンソニーのセミナーにオンラインで参加できるわけですからみてみるのもいいかもしれませんよね。
これからの時代、誰とつながるかはとても重要です。不安でいっぱいな人とつながれば悪い影響を受けます。幸せで楽しく生きている人は、たとえ世界が大混乱になっても、心の平穏を見つけることができるはずです。「不安」は敵じゃないから、味方につけて。「自分を守るためにある」から、不安を感じながらも毎日を大切に生きる人は心配ありません。そこに気づけるかどうかだと僕は思います。
<TEXT/作家・経営コンサルタント 本田 健>