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宇多田ヒカルが告白「ノンバイナリー」って何?“らしさ”求める社会への課題も

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誰もがマイノリティとなりうる

LGBTQ

 ノンバイナリーのほかにも、LGBTに属さない性のあり方があります。恋愛感情をほとんど、もしくはまったく抱かない「アロマンティック」。性別にかかわらずあらゆる性のあり方を好きになる「パンセクシュアル」。その時々によってジェンダーが揺れ動く「ジェンダーフルイド」など。

 性のあり方は、性自認だけでなく性的指向、服装、仕草、価値観など、さまざま。いわゆるマジョリティとよばれるシスジェンダー(生まれたときに割り当てられた性と自認する性が同じこと)やヘテロセクシュアル(異性愛者)を自認する人であっても、そのなかでの性表現(言葉遣い・服装・振る舞いなどで表す性)は枝分かれしていて異なるのです。

 また、性のあり方は必ずしもずっと同じではないと思っています。私自身、ジェンダーは現在女性を自認していますが、セクシュアリティ(性的指向)はわかっていません。というのも過去に男性と付き合うことはありましたが、ここ数年は同性に惹かれることが多く、恋愛対象となる性別が定まっていないように感じるからです。

一緒にいる人や日によって変化することも

 私は、恋愛対象は異性のみであると認識していた頃に女性と恋愛したり、性自認は女性でありながらも服装や振る舞いの性表現が、一緒にいる人や日によって変化することがありました。性自認においても、今自分が女性だと感じていてもそれが変化する可能性はあり、とても流動的なものであると認識しています。

 性表現、性的指向、性自認などさまざまな性のあり方がありますが、どの文脈においても誰しもがマジョリティとマイノリティの間を行き来しうるのではないでしょうか。

 個々の性のあり方は全く異なるもので、いま浸透している男女二元論や男らしさ・女らしさの考え方を持つことや、自分と周りの人を同じにして考えることのほうが難しく感じます。

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