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元引きこもり営業マンの自粛生活「カップ麺の容器は放置したまま」

暮らし

2年半の引きこもり生活を経験

「実は、中学校のとき、いじめが原因で不登校になり、高校は一応進学しましたがほとんど通わずに中退。その後、フリースクールに通いながら高認(高等学校卒業程度認定試験)を取得して大学に進みましたが14歳から約2年半は完全にヒッキー(※引きこもりのこと)でした。

 だから、1か月半なんて期間は僕にとっては短いですし、あと1年だろうと余裕で過ごせると思います」

 当時は外に出るのが怖かったそうですが、今回はテレワークや緊急事態宣言を受けて自宅にこもっているだけ。「そこは昔との大きな違い」と強調します。

「今は人並みにコミュ力もありますし、職場の人間関係や友人との関係も良好です。ただ、長期の引きこもり生活の経験があるので自分なりにどう過ごせばいいか知っている部分もあって、だからこそ昔と違って純粋に引きこもり生活を楽しめたのかもしれません」

 現在は会社の業務も再開。毎日、都内の職場まで通勤していますが、STAY HOME生活がリフレッシュ休暇の代わりになったといいます。

このままずっと家で過ごしたい

引きこもり

「もともと週末や連休中もどこかに出かけることは少なく、もっと休みがあればと思っていたので、自分の中で今回のことはすごく前向きに捉えています。別に僕みたいな元引きこもりじゃない同年代の友達もおうち生活を結構楽しんでいたりするし、そういった人たちも少なからずいるような気がしますけどね」

 会社は今後のテレワーク継続について検討しており、藤沢さんも導入されることを期待しています。

「営業部なので導入されても毎日は無理だと思いますが、週1日でもいいからやってほしいですね。日中は真面目に仕事しないとマズいでしょうけど、今まで通勤にかけた時間を好きに使えるのは助かります。引きこもり中にハマったオンラインゲームのプレー時間を確保したいから早く実現してほしいです(笑)」

 人にはあまり見せられませんが、自宅でダラダラと過ごすのは意外と至福のひとときだったりするもの。限度はあると思いますが、こんな生活も案外いいのかもしれませんね。

特集 20代のおうち時間改革

<TEXT/トシタカマサ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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