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コロナで失業した派遣社員「給与も出ない…」という悩み<小原ブラスの“甘口”人生相談>

コラム

不況は自殺者を1万人増やした

 1997年の消費税増税後、日本は1998年からデフレに突入しました。年間の自殺者数は、97年の約2万4400人から、98年の約3万2900人へと激増しました。この不景気は10年以上も続き、リーマンショックの追い打ちもあり、その間の自殺者数は年3万人を超えていました。

 これが再び、97年以前の水準に戻って2万5000人を切るのは、なんと2015年のことでした。

 不景気によって亡くなる命は自殺だけではありません。貧困による不健康が原因で亡くなる命もあるでしょう。出生数にも影響があるでしょう。コロナショックによる不景気では何十万人の命が失われるのでしょうか。

 感染拡大防止のための対策をすれば死者は確実に減らせる、でもやりすぎると増えるという難しいバランスの問題を抱えているのです。

不安な時代に「1番大切なこと」

不安 精神

 ほとんどの国が「対応が遅い」と国民に叩かれているのは、政府が感染拡大による死者と、感染拡大対策による死者が最も少なくなるようにバランスを取ろうとしたことが原因なのではないでしょうか。結果としては、都市封鎖などの極端な感染防止路線に舵を切る国が多いようですが……何が正しいかは分かりませんよね。

 いずれにしても、すでに世界のバランスは感染拡大防止路線に強く傾いていますので、今後は世界的な不景気、恐慌が起こることは回避できないでしょう。質問者さんのように、にっちもさっちも行かないような人がたくさん出てくるのではないかと思います。今は大丈夫でも、明日は我が身だという不安と闘って生きる人も増えるかもしれません。

 そのような不安な時代に生きるのに1番大事なこと、それは「絶対に死なないこと」だと思います。不安が溢れる社会の中で、窮地に立つと冷静な判断が出来ず「もう何もかも終わりだ」と思ってしまうかもしれません。でも、命がある限りは終わりません! 生きていれば必ず今よりも良い状況は何度となく訪れます。

 特に日本は、お金のない国ではありません。総合支援資金制度もあれば、雇用保険制度、住居確保給付金もあります。どうしようもない時には生活保護制度があります。

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