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激混み“痛勤電車”でのトラブル3連発。電車を逃してあわや遅刻…

学び

3:満員電車の救世主?山手線「大崎止まり」

 電車が遅延になり、職場に遅刻した場合、社会人であれば軽い注意程度で済まされますが、(もちろん遅延証明書はもらえるものの)時給換算で働いている人は「就業時間とみなされない」ため、一大事になることも。

「もともと西新宿駅のそばの企業に派遣されていたのですが、会社の都合で派遣先が五反田に変わってから、通勤に四苦八苦しています」

 そう語るのは、小田急線各駅停車の某駅に住む派遣社員の金谷絵里さん(仮名・27歳)。前職で培った広報スキルを活かして、現在は高時給の派遣社員として働いていますが、突然の勤務地変更に頭を抱えています。

「派遣先が遠いと、交通費もバカにならないし、何より通勤がしんどいんです。小田急線はしょっちゅう遅延するため、朝は本来の予定より10分以上早く自宅を出ています。

 派遣先が五反田に変わってからは、新宿駅でJRの山手線に乗り換えてたんですが、ある日、小田急も山手線の両方が遅延してしまい、乗り換えの改札がごった返しに。山手線のホームも人が溢れていて、3本以上後の電車にやっと乗車できました」

山手線

 そこで、金谷さんは小田急線の下北沢駅で、京王井の頭線の渋谷駅に乗り換え。そこから山手線で五反田駅に行くルートを開拓。

「新宿駅で乗り換えるよりも楽になりましたが、もちろん私鉄2本分の運賃は自腹です。混雑は相変わらずで、ある日の通勤でドアの近くの女性が車両から吐き出された瞬間、転倒してヒールが折れてしまっていたんです。私がドア付近に立っていたら、同じことになっていたかも……と、ぞっとしました。

 そこで、朝9時台に数本だけある『大崎駅止まり』を狙って、乗車するようにしました。渋谷駅のホームからもすんなり乗れて、ほかの山手線に比べて乗客が少ないので重宝しています」

 以上、三者三様の通勤事情を紹介しました。

 通勤時の満員電車の解消は、何年も前から議論されている課題です。思えば2016年の都知事選で「満員電車ゼロ」を公約に小池百合子現都知事は立候補しましたが、実現される日はまだ遠そうですね。

特集・私の“痛勤ラッシュ”レポート

<取材・文/夏目かをる イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。
Twitter:@7moonr

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