動かない上司を動かすために、部下ができる「社内調整」の裏ワザ
「もっと自分のやり方で進めたいのに、上司にキッチリと営業の進捗を管理されるのがストレス……」
「営業担当として顧客に迅速な対応をしたいのに、なかなか製造部門が動いてくれない……」
そんな社内調整の悩みに苦労する若手ビジネスパーソンも多いはず。実は、その悩み、組織論にもとづいて解決できるとしたら……?
若手ビジネスパーソンが社内調整を切り抜け、自分の力にしていくためのヒントをお届けします。解説するのは、ビジネススクールのグロービスが運営する動画学習サービス「グロービス学び放題」で、相手や組織を動かす力「パワーと影響力」を教える芹沢宗一郎氏。社内調整で成長できる力を身につけて、2020年のスタートダッシュを切ってみませんか?(以下、芹沢氏寄稿)
上司 VS 部下! よくある対立のケース
特に若手ビジネスパーソンが悩むのは、上司との関係性ですよね。お互いの実現したいことにギャップがあるときにコンフリクト(対立)が発生します。
例えば営業部門での上司と部下の関係性。部下に対して「短期で結果を出してほしい」と思う上司がいるとします。一方で、顧客に一番近いところに接している部下は、「もう少し中長期的な関係性を築きたい」と考えている。立場の違いによって、思いのすれ違いが起きるのです。
物事の進め方に対する考え方の違いもコンフリクトになります。上司でよくあるのは、きっちりと進捗管理をする、部下の一挙手一投足を管理して物事を進めたがるタイプです。
一方、部下は、進捗よりも結果志向。「結果を出せばいいのでは?」と考える人が多い。価値観の違いもコンフリクトになりますね。
相手を動かす組織論
上司と部下のすれ違いや、部門間での対立が起きたときに活用できるのが、「パワーと影響力」「コンフリクトのマネジメント」というテクニックです。
テクニック① パワーと影響力
「部下がなかなか動いてくれない」「社内のメンバーが協力してくれない」ときに、「人や組織を動かす」メカニズムとして、 人に影響力を及ぼす技術論です。スタンフォード大学のジェフリー・フェファーは、相手を動かすためのパワーを、以下の3つに分類しました。
1. 公式の力…昇進、昇給など組織上の権限を使って人を動かす
2. 個人の力…カリスマ性やスキルなど、個人に属する力
3. 関係性の力…社内や政治における派閥など、ネットワークを構築することで人を動かす力
これらパワーの微妙な差異を理解し、使い分ける必要があるのです。さらに活用できるのが、「影響力の武器」となる6つのパターンです。
直面している状況で、どのようなパワー・影響力を活用するのが適切なのか考えることで、社内調整を乗り越えることができます。