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新京成電鉄、新型車両「80000形」を公開。年の瀬にデビュー

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インテリア:開放感を演出した車内

新京成電鉄

80000形の車内

 車内は8800形リニューアル車をベースにしており、袖仕切りを大型化するとともに、ガラスを埋め込んだ。

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優先席

 ロングシートは、従来車より背もたれが175ミリ高いハイバックシートで、着座幅はN800系と同じ460ミリ。背もたれの一般席はピンク系に対し、優先席はブルーでハートの模様がつく。

 ロングシートのハイバック化は京阪電気鉄道8000系リニューアル車を皮切りに、一部の車両で導入されており、クロスシートなみの快適性向上を目指しているようだ。

 手すりは手垢や指紋が目立たないよう、BEP処理(Blind Electro Polishing)を施し、清潔面に配慮している。“BEP手すり”はJR東日本E235系の登場以降、東急電鉄2020系、相模鉄道12000系などで採り入れられており、2020年代はスタンダードになる可能性を秘めている。

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中間車のフリースペース

 また、E235系の登場で急速に普及した、車椅子、ベビーカー、大型荷物を持った乗客向けのフリースペースを中間車に設置。手すりを兼ねたクッションパネル(腰あて)やパネルヒーターを設置している。なお、先頭車は車椅子スペースに充てている。

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車椅子とベビーカーのピクトグラムは、中間車にも貼付してほしい

 気になるのは、フリースペースを示す車椅子とベビーカーのピクトグラムが先頭車しか貼付されていないこと。先述したとおり、先頭車は車椅子スペースなので、混乱を招く恐れがある。営業運転開始前までに再考の余地がある。

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プラズマクラスターイオン発生装置

 空気浄化装置として、プラズマクラスターイオン発生装置を1両あたり4台搭載。2010年代は著名ブランドの空気清浄機が鉄道車両にも導入されており、2020年代に入るとスタンダード化が期待されよう。

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ガラス張りのドアにイラストを添えることで、安全の確保と楽しさを演出

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現代の鉄道車両では珍しく、カーテンはフリーストップ式ではない

 車両と車両のあいだのドアは2010年代に普及したガラス張りにし、車内全体に開放感を演出した。ガラスの透明度が高く、乗客が誤って衝突してしまう恐れがあるので、梨とブドウのイラストが描かれている。新京成によると、沿線の名産品だという。また、この柄はカーテンにも描かれている。

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乗降用ドア上に搭載された機器類をブラックにまとめ、メリハリのあるデザインに

 乗降用ドアの上には、17インチワイドLCDの2画面一体型を配置。停車駅情報、駅設備情報、啓発や非常時の案内を日本語、英語、中国語、韓国語で表示する。また、今や鉄道車両の標準装備となった防犯カメラを千鳥配置(1両あたり3か所)し、セキュリティーの向上を図る。

 このほか、前面、側窓、乗降用ドアのガラスはUVカットを使用。荷棚は優先席と同じ高さ1,700ミリに統一。新京成伝統の“車内の鏡”が設置されている。

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