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新京成電鉄、新型車両「80000形」を公開。年の瀬にデビュー

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乗務員室:警笛は空気笛と電子警報機を装備

新京成電鉄

80000形運転席の計器類は、“昔ながら”を踏襲

 乗務員室の運転台は、力行とブレーキが一体となった両手操作式のワンハンドルマスコン。ブレーキステップについては、N800形の5段から、8800形と8900形と同じ7段とすることで、より細かい操作ができ、乗り心地の改善を図っている。また、25km/h以上の任意の運転速度を維持して運転が可能な定速制御を採用した。また、モニターは8900形更新車用をベースとした、タッチパネル式である。

 乗務員室の貫通扉に非常用のハシゴが設置されており、乗降用ドアにも使用可能な態勢をとっている。

 警笛は空気笛と電子警報機(電子ホーン)を装備。新京成によると、空気笛は降雪時に雪が詰まって吹鳴(すいめい)ができないことがあるそうだ。また、工事の区間があると、その都度、運転士が吹鳴するため、場合によっては沿線住民からクレームが来るという。このため、音色がやわらかめの電子警報機を装備し、併用する態勢をとっている。

 なお、電子警報機は8900形から標準装備となり、主力車両の8800形は追設したという。現役最古参の8000形は未装備の由。

年の瀬にデビュー

 先述したとおり、80000形は12月27日に営業運転を開始する。当面は新京成線内の運転となり、将来は京成千葉線に乗り入れる予定だ。この車両は冬季の寒さ対策として、暖房を2系統化し、それぞれを独立して制御することで車内温度の調節を可能にしている。新京成によると、N800形に比べ容量は1.3倍だという。

 パワーアップした暖房で乗客に“お・も・て・な・し”をする80000形。京成2代目3100形と異なる点もあり、乗り比べてみるのも面白そうだ。

新京成電鉄

【取材協力:新京成電鉄】

<取材・文・撮影/岸田法眼>

レイルウェイ・ライター。「Yahoo! セカンドライフ」の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、ムック『鉄道のテクノロジー』(三栄書房)『鉄道ファン』(交友社)や、ウェブサイト「WEBRONZA」(朝日新聞社)などに執筆。また、好角家の側面を持つ。著書に『波瀾万丈の車両』『東武鉄道大追跡』(アルファベータブックス刊)がある

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