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ビジネス

フォーマット化して効率的に働く

 他方、大手電機メーカーの会社員でもありながら株式会社ハピキラFACTORYを経営し、パラレルキャリアという形で働く正能氏は「限られた時間で、一定の成果を出すには、仕事をフォーマット化して、効率的に働くことがポイント」と語る。

「例えばハピキラの仕事のひとつにある、お中元・お歳暮のプロデュースは、販路も、その販路に合うターゲットも、パッケージも、毎回共通化している。その上で、地域に出向いて、商品を開拓している。

 以前は何も条件がわかっていないなか、地域に出向いて商品を探し、その商品に合うターゲットを決めて、パッケージや販路をつくっていた。それに比べると、今は効率よく確実に売れる商品をつくれるようになった」

 一方で、フォーマット化にこだわりすぎることへの懸念についても次のように語った。

「型を決めることは効率化に役立つ手段である一方で、『やりたいこと』を『やるべきこと』として捉えてしまうことになる。あくまでも、やりたいことを、より効率的に実行する工夫としてのフォーマット化なので、それでは本末転倒。フォーマット化する範囲や濃度は、自分でコントロールするべきではないか」

ビュッフェのように、好きなバランスで

トークセッション

正能氏は、慶應義塾大学大学院 特任助教も務める(中央)

 パラレルキャリアという多様な働き方を地で行く正能氏にとって、幸せとはどういうものなのだろうか。

「それは人それぞれ。だからこそ、自分が日々何をしている時に幸せを感じるのかから、どういう人生を歩めば幸せなのかまで、自分の時間と頭を使って、まずは考えることが大切だと思う。そして、それらを目の前のスケジュールに反映させる。全てを変えるのは難しいと思うので、まずはできるところから変えていくといいのでは。

 私の場合、これこそが幸せだというWhatは見つからなかったが、『好きなことを、好きなバランスで、好きなだけ』というHowが、私にとってひとつの幸せであるという発見があった。だから、好きなことを好きなバランスで好きなだけ食べられるホテルのビュッフェのように、『ビュッフェキャリア』という考え方を意識して働いている」

自分らしいワークスタイルを誰もが模索しているが、まずは自分の幸せについて改めて見つめ直してみるのもいいのかもしれない。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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