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根性論ばかりの上司にイライラしたら…理屈で対抗してはいけない

学び

非合理的な会話が“合理的結果”を生むことがある

ビジネスシーン

※画像はイメージです

ダースレイダー:これって一見、非合理的な意味のない会話を最初に挟んでいるようで、最終的にはその人の協力を得られるっていう意味ではすごく合理的なわけで。だから、まずは相手の共感を得るというスタートラインに立つということが大事。

 もちろん、理論を構築して話すタイプの人に対してなら、理詰めで話しても成り立つと思うんですけど、なかには気合とか根性とか、直観で行動するタイプの人もいて、そういった人たちの意見は論理的に説明できない場合が多い。

 論理的に説明できないことを否定するのではなくて、「なるほど、これに関してそんなふうに思うんだ。僕が考えたら、こうだと思ったんですよね」とか、ワンクッション入れてから自分の意見を話すだけでも、相手は受け入れやすくなると思うんです。

人間の脳みその2つのモジュールとは?

ダースレイダー:人間の脳みそには、「直観」と「理論」の2つのモジュールがあって、どうしても直観のほうが優先的に働くんだよね。なぜなら、直感は生命の危険に直面したときに働くものだから。

 直観が優先されることは、脳の構造上しかたない。それに、理論を組み立てることは、時間のかかる作業だから。時間がかかるということは、忍耐が必要で、相手に忍耐を求めるためには、それなりにこっちの話を聞いてくれる体制にまず立ってもらわないと。

 自分の考え方が合理的で、こうするべきだっていう信念があれば、それを実現するためには、まず相手の話を1回聞いてあげるっていうことが、結局近道になると思います。

<構成/サジェリコフ>

1977年パリで⽣まれ、幼少期をロンドンで過ごす。東京⼤学に⼊学するも、ラップ活動に傾倒し中退。2010年6⽉に脳梗塞で倒れ合併症で左⽬を失明するも、現在は司会や執筆と様々な活動を続けている。

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