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「母子家庭で育った僕は良い父親になれる?」2児の娘を持つ”パパラッパー”が回答

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父親がいないことで育まれた感性に価値がある

ダース

ダースレイダー:とはいえ、知らないことだらけだから、リサーチをして話を聞いたりしないといけないと思う。

 だけど、子育て本とか見たところで、それはゆるい意味でみんなに通用するかもしれないけど、本当に自分の子にぴったりなやり方っていうのが提示されているわけではないし。それは参考程度にしかならないから。

 それに、絶対的な目標ってものがないと父親になれない訳ではないしね。世の中の父親は全員、その子にとって唯一無二の父親だから、その人にしかできないやり方を見つけていくしかないんだよ。

 それで失敗しちゃう人もいると思うけど、全員に通用する方法はないと思っていたほうが、気が楽になる。負い目をもった状態でスタートする必要はまったくないと思います。

 だって、誰もやったことないことを自分がこれからやるんだぞっていう意味で、これはチャレンジなんだから、ワクワクしたほうがいいと思う。

 あとは、今の自分を振り返ってみて、父親がいないっていうことによって、27歳まで育ってきて、自分の中で育まれた感性であったり考え方であったり、それ自体に価値があると思ったほうがいい。

「自分はこういったことを教えられるけど、自分がわからないことは、子どもと一緒に見つけていこう」でもいいと思うんで。

ダースレイダー、我が娘に教えたいことは……

ダースレイダー:僕自身のことでいうと、娘とは会話の時間をもつというか、「今日何があったの?」とか聞いて、たくさん会話をするようにしてる。あとは、選択肢がたくさんあるってことを、教えたいと思ってるかな。

 親がこうしろって言っても、実は他にも選択肢はたくさんあるし。先生がこうしろって言った以外にも選択肢はたくさんあるし。その中で何を選ぶの?っていうところは、自分でなんとなく考えさせられるようにできればいいかなと思ってる。

 とにかく世界は広くて、自分の家の居心地がいいなら居てもいいんだけど、でもそこだけが居場所では絶対にないし。学校だけが居場所でもないし、遊びに行ってる児童館だけが居場所でもないし。

 もし嫌だったら、他の場所が世界中どこにでもあるから。世の中にはいろんな人がいて、ドレッドヘアのやつもいれば、スキンヘッドのやつもいて、アメリカ人もいれば、フランス人もセネガル人もいる。その広い世界にあなたはいるんだよってことを、なるべく早い時期に肌感覚でわかってもらいたい。

 そうすれば、どこに放り込まれても、それか当たり前だという感覚でいれる。無菌室で育てて、安心安全にってやっていったほうが、むしろ危険度は高まると思うんだよね。なるべく、選択肢がいっぱいあるんだってことと、いろんな人がいるんだよってことを教えたい。人間に限らず動植物もね。

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