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リスクヘッジとは?意味やリスクマネジメントとの違いも解説【いまさら聞けないビジネス用語】

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リスクヘッジとは?意味やリスクマネジメントとの違いも解説【いまさら聞けないビジネス用語】

ビジネスシーンにおいて、適切な言葉遣いは重要なスキルのひとつ。基本的なビジネス用語を理解していることは、コミュニケーションの円滑化に直結します。本記事では、いまさら人に聞けないけれど、知っておきたいビジネス用語をわかりやすく解説。それぞれの用語が持つ背景や使用されるシチュエーションを押さえておくことで、職場での会話やメールに自信を持てるようになります。今回は「リスクヘッジ」について紹介します。

「リスクヘッジ」とは発生する可能性のある損失や不測の事態に備えた措置

リスクヘッジは、将来的に発生することが考えられる損失、不測の事態に備えて対策を講じておくことをいいます。すべてのリスクを回避するのは現実的に難しいため、リスクヘッジの目的はリスクを完全に排除することではなく、損失の発生を最大限に軽減することです。

この言葉は、もともとは金融業界で利用されていたものでした。たとえば1社にのみ多額の投資を行うのではなく、さまざまな会社に分散投資を行い、万が一投資している中の1社の株が大暴落しても、そのダメージを抑えるなどの対策をリスクヘッジとしています。

現在でもこのような使われ方は一般的ですが、ほかにもさまざまな分野で使用されており、分野ごとに異なる意味を持つことがあります。ビジネスの分野でのリスクヘッジの意味について見ていきましょう。

ビジネスにおけるリスクヘッジとは?

ビジネスの大きな失敗や損失を防ぐために、さまざまなリスクヘッジの方法があります。ここでは、ビジネスにおいてのリスクヘッジについて、いくつかの例をご紹介します。

事業多角化
ひとつの事業に依存せず、複数の事業を展開することがリスクヘッジになります。これにより、万が一特定の事業が不振に陥った場合でも、ほかの事業で損失などをカバーすることができ、最悪の事態を回避できる可能性が高まります。

サプライチェーンの多様化
原材料の調達や加工、流通や販売の流れをサプライチェーンといいますが、特定の仕入先や生産者に依存しないこともビジネスにおけるリスクヘッジの方法のひとつです。複数の仕入先を持っておくことで、供給が途絶えるリスクを最小限に抑えることができます。

在庫管理の最適化
過剰な在庫を抱えることはコスト増の原因となってしまうため、事前に需要予測をしっかりと行い、適切な在庫数を維持することもビジネスでのリスクヘッジといえるでしょう。とくに流行の移り変わりが激しい分野などは、短期間で販売しなければ過剰な在庫を抱える可能性もあるため、在庫数の見極めは非常に重要といえます。

予防措置
企業経営やさまざまな団体・施設においては、自然災害やサイバー攻撃に備えるため、事前に災害対策マニュアルを作成する予防措置がリスクヘッジです。災害に備えて防災用品を整えたり避難経路を確認しておいたり、またサイバー攻撃に対しては、セキュリティシステムを導入することがリスクヘッジの原則です。

保険
保険は、個人でもできる代表的なリスクヘッジの方法です。生命保険、火災保険、自動車保険などに加入することで、事故や病気など不測の事態が発生した際の金銭的な面での不安を解消することができます。

リスクマネジメントとの違いは?

リスクヘッジとよく似た言葉に「リスクマネジメント」があります。リスク管理とも呼ばれ、事前にリスクを回避するという点ではリスクヘッジと共通しています。

ただしリスクマネジメントは、企業におけるさまざまなリスクを事前に把握したうえで、リスクへの対応やそのための体制づくりなどの一連のプロセスや管理全体のことを指します。リスクヘッジは特定のリスクに対する具体的な対策や施策を指す場合に使われる言葉であるため、リスクマネジメントのプロセスの一部がリスクヘッジということになります。

具体的には、情報漏洩のリスクを予測し、ソフトウェアの脆弱性の可能性、人的ミスの可能性などを把握し、対策を検討することをリスクマネジメント、その過程において行うセキュリティの強化やマニュアルの作成などの具体的な行動をリスクヘッジといいます。

リスクヘッジは企業だけでなく個人の危機回避やトラブル解決のために欠かせないプロセス

リスクヘッジは、企業経営においてはもちろん、個人的な危機や不安を解消することにおいても欠かせません。リスクを把握して解決策まで考えておくリスクマネジメントも行いながら、その過程で必要なリスクヘッジを行い、さまざまなリスクを回避すること、万が一のトラブル時でもスムーズに対処できるようにしておくことが大切です。

音楽心理学に基づいた〈耳で飲むお薬®〉をはじめ、メンタルヘルスに効果的な音声素材を独自のmeditone®テクノロジーで開発している会社、digiart(デジアート)のライター兼エンジニアです。学生の頃の夢は「ものかき」で、今の夢は「おむこさん」です。アプリケーションのドキュメントから官能小説まで、いろいろ書いてます! あと、アプリも開発していますので「耳で飲むお薬」と検索して私を探してみてください。
https://www.meditone.jp

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