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2024年は5日以上の大型連休が年に3回も【世界の働き方事情・中国】

コラム

2024年は5日以上の大型連休が年に3回も【世界の働き方事情・中国】

海外在住ライターや海外で働いた経験を持つライターが、各国の仕事事情を紹介するシリーズ「世界の働き方事情」。今回は、近くて遠い国・中国の休日事情を現地の日本人学校に教員として勤務した経験のあるライターが紹介します。

月曜日から金曜日が平日で、企業や学校は土日が休みになるのは日本も中国も同じです。ところが、春節や国慶節のようなホリデーシーズンはこの限りではありません。なんと、なるべく長い連休になるように、平日が休日に、土日が出勤日になることがあるのです。

中国の働き方事情の3回目となる本記事では、中国の大型連休の特徴と社会保障制度について詳しく見ていきましょう。

関連記事:【世界の働き方事情・中国】休日の残業代は300%!違法なブラック労働「996」とは?

6連勤になる週がある?中国の大型連休のからくり

中国では、春節(旧正月)・労働節(メーデー)・国慶節(建国記念日)の3つが主要な大型連休として知られています。

春節は中国で最も重要な祝日です。新年を親族と迎えるために、多くの中国人が故郷に帰省するため、国内外で大規模な人の移動が発生します。旧正月と呼ばれるように、旧暦に合わせた慣習のため、早く迎える年もあれば遅く迎える年もあります。例年、1月下旬から2月中旬にかけて1週間から10日前後の連休になります。

日本がゴールデンウィークに差しかかる頃、中国では労働節(メーデー)という連休に入ります。5月1日を基準に設定され、多くの国民が旅行に出かけます。

国慶節は10月1日の中華人民共和国建国を祝う祝日。通常7日間の連休となります。街中や幹線道路に中国の国旗が多く掲げられるようになります。

2024年のそれぞれの大型連休の日数は以下の通り。

春節:2月10日(土)~17日(土)8連休
労働節:5月1日(水)~5日(日)5連休
国慶節:10月1日(火)〜7日(月)7連休

この他、端午節や中秋節など、3連休も少なくありません。中国で働き始めた1年目は、「日本よりも長い休みが多い気がする」と思っていました。

ところが、必ずしも手放しでは喜べない事情もあります。実は、これらの休日の前後の土曜日や日曜日が平日扱いになることがあるのです。

例えば2024年の春節では、2月4日(日)と18日(日)は振替出勤となっています。つまり、春節の前後は平日が6日になり、6連勤の後に春節の8連休を過ごし、春節が終わっても6連勤となるのです。

中国のとある日系企業の駐在員の方からは、「中国は休日でも日本が平日の場合は対応が必要になることもあり、逆に中国の連休の振替出勤は、日本は休日にもかかわらず出勤しないといけないので、休みは少ないんです」と聞いたことがあります。

中国特有の大型連休のシステムは、なじみのない外国人からすると賛否両論ありそうですね。ちなみに、翌年の休日や振替出勤日は前年のうちに公開されるので、予定は立てやすい印象があります。

住宅の確保へ向けて働きながら積み立てる

中国の社会保障制度には、どのような特徴があるのでしょうか。中国では、労働者と雇用主が共同で負担する社会保障制度があります。このシステムは、以下の6つの項目で構成されています。

養老保険:退職後の生活を支えるための年金制度
医療保険:医療費の補助
失業保険:失業時の生活支援
労災保険:労働中の事故や病気に対する補償
出産保険:出産時の補助金
住宅公積金:住宅取得のための積立金制度

特筆すべきは、労働者と雇用主の双方で住宅公積金を積み立てていることです。

住宅公積金は、中国の急速な経済成長と都市化に伴う住宅問題に対応するための特有の制度です。中国の職業事情の第1回の記事では、若い世代が住宅の購入を諦める様子を紹介しました。特に都市部では、住宅価格の高騰により、多くの労働者が適切な住居を確保することが難しくなっています。

日本では、住宅支援は主に住宅ローン減税や購入支援策など、税制上や政策上の措置として提供されています。中国の住宅公積金制度は、社会保障の一環として住宅問題に取り組む独自のアプローチといえるでしょう。

次回は中国の副業事情についてお伝えします。

奄美大島出身。大阪府在住のライター。 タイと中国の日本人学校に教員として通算8年間勤務。 帰国後、フリーのライターへ。 補習校講師として、オンラインで国語を教えています。

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