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日本の副業者は「10人に1人」で欧州平均の2倍以上!最も多い年代は20代

コラム

近年、生活費や将来の不安に備えるため、副業を希望する人が増加しています。また、収入を補うだけでなく、新たなスキルを身につけたり、趣味を活かしたりする場としても注目される一方で、さまざまな課題やリスクも存在しているのが実情です。そこで、副業に関する調査結果をもとにその実態に迫り、副業を検討する人々にとって有益な情報を提供していきます。

今回は「そもそも副業って、どのくらいの人がやっているの?」という疑問に対し、複数の調査結果から答えを探りました。

日本では約10人に1人が副業中

「副業」というキーワードをよく耳にするようになった気がします。では、実際に、副業をやっている人は身の回りに、どのくらい存在するのでしょうか。

株式会社リクルート(東京都千代田区)が発表した「兼業・副業に関する動向調査2022」では兼業・副業実施者の状況が明らかにされています

会社員(雇用形態が正社員)7,696人から回答を得た同調査によれば、2022年(令和4年)の段階で副業・兼業をしている人の割合は9.9%となっています。

2021年(令和3年)・2020年(令和2年)の同調査の結果は9.4%・9.8%。近年、日本には10人に1人くらいの割合で副業・兼業をしている人が存在すると考えられます。

インターネットを通じて2020年(令和2年)に厚生労働省が行った「副業・兼業に関する労働者調査」でも、15万9,355人(就業形態を問わず)の回答者のうち、副業をしている人の割合は9.7%でした。

ちなみに、リクルートの「兼業・副業に関する動向調査2022」によると、副業・兼業をしている人の中で最も多い年代は20代、次いで30代、40代となっています。

どちらかといえば、若い人のほうが本業を持ちながら副業をしている傾向が強く見られます。

アメリカでは5.2%、欧州平均は3.9%

日本の場合は、就労者全体の1割程度が副業をしているとわかりました。では、この数字は、諸外国と比べると、どのような違いが出てくるのでしょうか。

アメリカ合衆国労働省によると、アメリカ人就労者全体における副業者の割合は2024年5月時点で5.2%とされています。

1年前の同調査では4.8%だったので、副業者の割合は米国で、増加傾向にあるとわかります。

EU(欧州連合)の統計担当局であるユーロスタットによると、フランスの場合は、2023年12月の段階で就労者のうち4.40%が複数の仕事を抱えていました。

ヨーロッパの中でも、副業者の割合が高いデンマークの場合は7.90%(同年)となっています。

同国の新聞『コペンハーゲンポスト』によると、さらに1年前の2022年も、15~74歳の被雇用者のうち7.1%が副業を持っていて、ヨーロッパ平均の3.9%を大きく上回る数字だったそうです。

それでも、日本の副業者の割合は10%近く。先進各国の水準と比較すると、日本人の副業者率は高く、場合によっては倍以上の数字になるみたいです。

[文・坂本正敬]

[参考]

※ 兼業・副業に関する動向調査データ集2022 – リクルート
※ 副業・兼業に係る実態把握の内容等について – 厚生労働省
France – Employed persons having more than one job – TRADING ECONOMICS
Employment Situation – U.S. Bureau of Labor Statistics
High percentage of people in Denmark have more than one job – The Copenhagen Post

〈bizSPA!フレッシュ〉元編集長。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉創刊編集長。執筆者としては、国内外の媒体に日本語と英語で寄稿。翻訳家としては訳書もある。技能五輪国際大会における日本代表選手の通訳を直近では務める。プライベートでは、PTA広報誌の編集長も兼務しており、広報誌の全国大会では受賞経験もあり。

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