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キャバクラで胸を揉む社長。“アットホームな職場”に隠されたドン引きな闇

コラム

「セクハラというか、もはや犯罪」

「戸惑っていた私に、女性の先輩社員は『ほらほら、だから言ったでしょ。ついて来てよかった! さ、帰ろう!』と言って手を引っ張り、店外まで連れ出してくれました。実は、先輩も以前、私と同じ状況を体験し、社長に対して嫌悪感が芽生えたそうです」

 それ以降、2次会へは不参加。ただ、倉坂さんが社長を尊敬しているように見えたため、悪口のようになってはいけないと黙っていたのです。倉坂さんと先輩がそんな話をしていると、キャバクラのドアが開き「あれっ? 倉坂さん、もう帰っちゃうの?」と社長。

「先輩は呆れた様子で溜め息をつき、ツカツカと社長の前まで歩み寄り、『あんなセクハラまがいの現場を見せられたら、誰だって引くと思いますよ! セクハラというか、もはや犯罪』とキツイ口調で言い放ったのです」

 先輩社員は、普段から社長にもハッキリものを言う人だったため驚かなかった倉坂さん。ですが、「え? 何? カラダを触られてお金もらってるんだから、いいんだよ。嫌よ嫌よも好きのうち。女の子って、そういうモンでしょ?」という社長の返しにドン引きします。

女性軽視な考え方が影響しそう、と転職

ブラック企業

「酔っ払っての一言とはいえ、そういう考え方が根底にあると知り、ショックを受けました。また、飲み会の翌日から社長の態度があきらかにざっくばらんになり、不快に感じることも。無意識のうちに、仕事中も社長の言動を観察するようになりました」

 すると、女性軽視な一面が見え隠れするようになります。キャバクラで倉坂さんを外に連れ出してくれた先輩社員にも「残業ばかりしてないで、たまにはイイ男とデート行ってきたら?」「女の子は、もらってもらえるうちに早く結婚したほうがいい」など、言いたい放題。

「長く働けば、私にも同じような言葉を投げかけてくるかもしれないし、今後の昇給や働き方にも社長の女性軽視な考え方が影響してくると考えました。そして、転職を決意。いまは別の会社で働いています」

 倉坂さんは転職後、男女平等にチャンスのある会社で働き、現在は重要なポジションを担っているとか。個々が能力を活かして気持ちよく働くためには、性別に捕らわれることなく、ひとりひとりを尊重することも重要なポイントのひとつと言えるでしょう。

特集・男尊女卑にびっくりした話

<TEXT/夏川夏実 イラスト/葉月しあ(@shia_lifestyle)>

ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5

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