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約100万円で「街の整体サロン」を開業した人のその後。成功と失敗の分かれ目は

学び

元筆者のサロンの従業員、30代男性

マッサージ

 もう一件例を出そう。もともとアパレル業界で働いていた彼は30代前半で筆者のサロンにやってきた。スクールと同じ内容を研修として2か月ほど教えた後に従業員として仕事を始めた。

 3年ほど働いたところで開業のために退職。開業までに何枚か賃貸物件の図面を持ってきて筆者に見せたが最後に見た一枚が断然良い内容だった。お洒落で吸引力の強い店舗などが相次いで開店するなど盛り上がりを見せている蔵前駅から徒歩30秒ほどの路面店なのに17万円と賃料も安かった。

 彼は今3つのベッドの置けるリラクゼーションサロンを開業して3年半ほどになる。今は2人のスタッフと共にコロナに負けずにがんばっているし、Instagramでの情報発信など新しいことにもたくさんチャレンジしている。売上は月に200万円ほど。固定費は家賃込みで50万円。人件費に80万円ほどで残りの80万円が収入だそうだ。心豊かに生きていくのに十分な収入ではないだろうか。

1人経営のサロンでも利益は出る

 また筆者は最近『サロン開業・経営の教科書』というサロン開業を支援する内容の書籍を出版したが、その中で筆者の個人的につながりのある個人のサロンに売上と経費を聞いた結果の表を公開した。

 1人で運営しているマッサージ系サロンと複数人で運営しているマッサージ系サロンそれぞれ7、8事業者に筆者にも誰がどの答えを書いたのか分からない形の匿名アンケートを行った。ここでは表の掲載は難しいと思うので平均値のみ記載する。また書籍には一部の数字が欠けているサロンも載せたが、ここでは完全な数字が入ったサロンのみの平均を示す。

【1人サロン】
売上平均51万4286円/経費平均20万4286円/利益平均31万円

【複数人サロン】
売上平均101万4286円/経費平均52万6250円/利益平均44万9286円

 どうだろうか。決して高くはない。年収にして360万円~540万円。しかし、スローながらも充足した生活をするには今の日本では十分であるともいえる。

サロン開業・経営の教科書

サロン開業・経営の教科書

サロン業暦18年、5店舗を運営し、独立した19人のスタッフもほぼ営業し続けている著者によるサロン型ビジネスを成功に導くノウハウのすべて

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