得する・損する「食べ放題」の違いは?人気チェーンに“思惑”を直撃
コロナで幅広い食材の「食べ放題」を実施?
根本さんによれば、これだけ幅広い「食べ放題」を実施できたのもまたコロナ禍の影響でもあったそうです。
「平常時と違って『食材が回らない』ことが増えたんですよ。例えば、お客さんが来なくなりやむを得ずそのお店を閉店することにしたと。でも、仕入で確保している食材が大量にあると。
普通では売り切ることができないですから、そういったものを『食べ放題』として販売し消化することで、食品ロスも防げて一石二鳥というケースもありました。弊社のお店で言うと、前述の『お団子食べ放題』なんかがそうですね。『居酒屋でお団子、なぜ!?』ということがウケて、メディア取材も多く受け、実施期間を延長するほどでしたので『食べ放題』の好例だったと思います」
お客さん目線での得する、損する「食べ放題」
次に利用者の目線に立った場合、どんな「食べ放題」がお得なのかも聞きました。
「例えば焼肉の食べ放題に行った場合、どうしても白いご飯が欲しくなるものですが、こういった炭水化物系には注意したほうが良いですね(笑)。お店側は『炭水化物を摂ってもらって、食べる肉の量を減らそう』としているかもしれませんし。
例えば、かにとかいくらなどの高級食材の食べ放題の場合、最初に『5種盛りのおつまみセット』なんかを出すお店もあります。『これをまず食べないと、かにやいくらは出さないよ』っていうギミックなんですけど、こういう食べ放題は避けたほうが良いですし、おそらくそういうお店も結果的に収益につながっていないと思います。
お客さんが『求めるもの』、お店側が『提供したいもの』の間に差が生まれるもの、はウケないものです。確かにお店は少しでも多く収益をあげたいですが、だからと言って、お客さんを騙すようなことをしたらダメですよ。こういったことをすればお客さんにすぐ伝わります」