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コロナ禍の今、駄作と言われた『ゲド戦記』が再評価されるべき4つの理由

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「ポニョ」「劇場版 鬼滅の刃」との共通点

ジブリ

『崖の上のポニョ』© 2008 Studio Ghibli・NDHDMT

 余談ですが、この『ゲド戦記』の後のスタジオジブリ作品である2008年公開の『崖の上のポニョ』は、「神経症と不安の時代に立ち向かおうとする」内容であると、宮崎駿監督が公式サイトなどで明言しています。

 その劇中では海にゴミが大量に捨てられるといった現代の問題が表現されている一方で、保育園児が老人ホームで交流するといった新しい社会のあり方も描かれていたりもしました。スタジオジブリ作品はいつも現代(劇中の時代)の世相を反映し、それが恒久的なメッセージにもつながっている、それが宮崎吾朗と父である宮崎駿は共通しているということも、『ゲド戦記』と『崖の上のポニョ』を続けて観れば思うことができるしょう。

 さらに余談ですが、2020年に公開され現在も歴史的超大ヒット記録を更新し続けている『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』でも不老不死を否定し、「限りある命だからこそ、尊く強いのだ」という価値観が強く訴えられています。

 この『ゲド戦記』の劇中で訴えられたメッセージが、このタイミングで多くの人に届けられているということも、歓迎するべきでしょう。

<TEXT/雑食系映画ライター ヒナタカ>

【参考図書】
鈴木敏夫プロデューサーの言葉は『ジブリの教科書14 ゲド戦記』(文春ジブリ文庫)より
宮崎吾朗監督の発言は「インタビュー 映画「ゲド戦記」監督 宮崎吾朗さん」(e-hon)より

雑食系映画ライター。「ねとらぼ」や「cinemas PLUS」などで執筆中。「天気の子」や「ビッグ・フィッシュ」で検索すると1ページ目に出てくる記事がおすすめ。ブログ 「カゲヒナタの映画レビューブログ」
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